名古屋−チャイナートFC エキサイトする闘莉王(左から3人目)ら両チームの選手たち=タイ・チェンマイで(布藤哲矢撮影)
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【チェンマイ(タイ)木村尚公】名古屋グランパスは12日、当地でタイ1部・チャイナートFCとの練習試合(45分×3本)を行い3−1で完勝した。初めて主力組で途中出場した新人FW小屋松知哉(18)=京都橘高=がファーストプレーで“プロ初ゴール”をマーク。大器の片りんを見せた。
ピッチに投入されたのは2本目の41分。主力組でのプレー経験がない小屋松にとって、実力を示すには残り4分では足りないかと思われたが、この18歳は並みじゃない。
「何かができると思った。思い切りプレーすることだけを考えた」
ファーストタッチでDF佐藤からパスを受けると、前方のFW永井へパス。すぐにリターンパスを受けて小刻みなドリブルでDFをかわしペナルティーエリア内へ。最後はGKの動きを見切ってネットを揺らした。
「やっと最後に点を取れた」。同じ高校生新人の青木、杉森、森は控え組の練習試合でゴールしていた。西野監督は「あの時間でしっかりパフォーマンスを出した。ステップを踏んでいい形に持っていくことができるし、シュートの技術が高い」。小屋松の能力を最大限に評価した。
高校2年時に選手権で準優勝と得点王。3年時はベスト4。プロとなった今は壁を実感している。「すべての面で足りない。課題が多い」。キャンプでは先輩FW玉田らに積極的にアドバイスを仰いできた。
1月には早大の通信教育過程に合格。「興味がある心理学を学びたい。サッカーと勉強を両立させることが、結果的にサッカー寿命を長くすることにつながる」と語る。現実的には開幕メンバーに割って入るのは難しいだろうが、地に足をつけて未来を語る小屋松に焦りはない。「これはまだスタートです」。出場4分間で示した足跡は偉大なプレーヤーへの第一歩。ほほ笑みの国で確かなポテンシャルを示した。
◆磯村、2試合連続ゴール
MF磯村は9日のバンコク・ユナイテッドFC戦に続いて2試合連続ゴール。2本目の14分、FWケネディのクロスからのこぼれ球を落ち着いて左足でけり込んだ。「試合を通じてもっとあの位置まで入り込む回数を増やしたい」。守備的MFとしては破格の決定力を武器に、レギュラー候補に急浮上してきた。
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