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【コラム 撃戦記】

脳振とうを甘く見るな格闘家

2014年2月13日

 柔道などで頭を強打して死傷する事故が問題になったことから、日本脳神経外科学会は昨年暮れ、スポーツで頭を打って脳振とうを起こしたらすぐに競技や練習をとりやめようと提言した。事故の報告は球技などでも聞く。提言では脳損傷や硬膜下血腫があったときは復帰すべきではないと明記した。

 安全第一をうたうスポーツ教育。学会の提言は指導者には歓迎だろう。というのは、アマのCM解禁やプロ化で、最近は子どもより親の方が熱心。そのあおりを受け、競技への復帰や引退について、助言することに指導者が苦労しているからだ。

 さらにプロは、引退勧告を逆手に取り、人気復活の呼び水にして復帰してしまう。首を強打しての頸椎(けいつい)損傷、脳内出血、脳こうそく、網膜剥離といった文字を新聞などで見るが、興行という魔物が選手を復帰に向けて後押してしまうのだ。

 直接打撃の極真空手は脳振とうは即中止。極真以外でも打撃系は多くが続行を認めない。だが、残念ながら勧告に従うのは一部の選手。プロレスラーのリング復帰にはいつも驚かされる。元気な姿はファンにこれ以上ない勇気を与えることは確かだが、学会提言を尊重することも大切だ。 (格闘技評論家)

 

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