【ソチ(ロシア)】ロシアはオリンピックパーク入り口近くに倉庫ほどの大きさの「ファンハウス」を設置した。ロシア代表を応援する地元の観客を盛り上げようと設けたものだが、盛り上がりすぎは禁物だ。
「興奮しすぎて他国の選手やファンに迷惑をかけてほしくはない」。ファンハウスの広報担当者、エフゲニー・トカチェフ氏はこう話す。ファンハウスでは元五輪選手と対面したり、自分の体力を測定したりできるが、トカチェフ氏は「われわれは人々をスポーツ狂に変貌させようとしているわけではない」と説明する。
五輪観戦チケットを持った数十万のロシア人は現在までのところ狂喜しているというより、むしろ冷静だ。
トカチェフ氏はファンには盛り上がってほしいが、騒がしくはしてほしくないと考えている。鳴り物はもってのほかだ。「騒音を出すようなものは配っていない」とトカチェフ氏。
ソチでは、米国人の大集団による地を揺るがすような「U・S・A」のかけ声や、2010年のサッカーの南アフリカ・ワールドカップで鳴り響いた周囲の音をかき消すブブゼラの音に匹敵するような応援はほとんど聞かれない。感情をあまり表に出さないことで知られる英国人でさえ2012年のロンドン五輪では時に感情をむきだしにしていたというのに。
ロシア人の観客は時々「ロ・シ・ア」と叫んではいるが、2、3回以上繰り返すことはほとんどない。
一部の会場は、オランダなど人数は少ないが騒々しい国のファンたちに圧倒されている。ロシアのファンハウスお墨付きの最大の大騒ぎは、ファンハウスで配られている赤・白・青のスティック風船を静かに鳴らすことだ。
ロシア科学アカデミーの心理学者、ウラジミール・アセーエフ氏は、ロシア人の応援が比較的控え目な傾向にあるのは「別の誰かの犠牲の上に自分たちの勝利がある場合、その喜びを強調するのは不作法なことと考えられている」ためだとし、「ロシア人はそのように育てられてきた」と話す。
ロシアの文化では、感情をおおっぴらに出すことは厳しくコントロールされている。
モスクワ身体文化・スポーツ研究所のアカデミックディレクター、アレクセイ・ムシャリン氏は「感情は確実に高まっている。しかし、われわれは日本人や中国人のように飛び跳ねたりしない」とし、「われわれのアスリートをわれわれが誇る思いはその表現の仕方によって変わるわけではない。ロシア人がしらふのときは、感情表現を非常に抑える場合がある」と指摘する。
「しらふ」もソチ五輪のキーワードだ。販売されているビールのほとんどはノンアルコールで、強いアルコール類はアイスホッケーの決勝のチケットよりも手に入れるのが難しいほどだ。
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