韓国は嫌い 日本は大好き!「中国人若者匿名座談会」〈新潮45〉
Book Cafe 矢来町ぐるり 2月10日(月)16時51分配信
■「国有化って何ですか」
――こういう時期に日本に住んでいるということで、ご両親や友だちは心配したんじゃないですか?
李: そうですね。日本でも中国と同じようにデモとか暴動が起きていると思い込んでいる人もいますので。そんなことはあるわけないんですが。
黄: 日本に住んでいて、日本人にいじめられませんか? と聞かれました。
――日本の報道はもちろん日本の立場から報道しているわけですけど、それをどんな気持ちで見ていたんでしょう?
張: 私は中国人が最初に悪いことをやったと思っているので、日本の報道を見て不愉快になったりはしなかったです。昨年、あの島の問題について日本人の先生から「張さんはあの問題をどう思っているのですか?」と質問を受けました。そのとき、その場にいた外国人は私ひとりだけだったので「そんなに簡単に答えられることではありません」と答えました(笑)。ちょうどその後、別の先生が中国に出張することになって、案内の人に「危ないですから外に出ないでください」といわれた時すごく怖かったそうですが、実際には何も起きず、中国人にすごく親切にしてもらったと話していました。
李: デモと直接は関係ない話ですが、日本政府があの島を国有化したことに関して、中国の友だちから「国有化って何ですか」というのは何度か聞かれました。中国では土地はすべて国家のもので、個人や企業は購入できません。使用権しか持てない中国人にとって、日本の一民間人から国家が土地を購入するという行為は、どう考えても理解できないものだったのです。それに、当時の野田政権が国有化の方針を明言したのは7月7日でしたが、あの日は盧溝橋事件が起きた日でした。そうした中日にとって敏感な日になぜわざわざ決定したのか。そういう疑問を持つ友だちもいました。
――そもそも皆さんは学校時代に尖閣問題について教わっていましたか?
全員: いえ、全然知りませんでした。習ったことはないです。
黄: でも、今、中国人に「あの島は誰のものか」と聞けば、みんな「中国のものだ」と答えますよね。
張: そうですね。でも、本当はあの島がどこにあるか、地理もわからない人が多いですけどね。
李: 現代国家としては、ほとんどの国が隣の国との領土問題を抱えているので、こういう紛争があるのはある意味では当たり前だと思います。日本の隣国は中国、韓国、ロシアだけですが、中国は10以上の国と国境が接していますので、常にこうした問題は抱えています。ただ、日本との領土問題については頭に血が上ってしまう人が多いような気がします。
――最後に、皆さんは今日本にいますけど、将来はこのまま留まる予定ですか。あるいは中国に帰る予定ですか?
黄: 私は修士1年生ですが、今は東京に残って働いてみたいと思っています。
張: 私は修士2年生で、今、修士論文を書きながら就職活動もしているんですが、やはりもう少し日本にいたいと思います。
李: 私は今すでに東京で働いていますが、まだ今後どういう方向に進むかは明確には決めていません。
――中国に住んでいる友だちはどういう方向へ進んだのでしょう?
張: 今は中国も大卒者が非常に多く、名門大学でも就職はとても難しいので、いい就職口がなかったから大学院へ進学した、という友だちもけっこういます。
黄: 一人っ子世代は親のプレッシャーがあって大変ですけど、好きな仕事につきたいと思う気持ちは同じです。
――3人とも、これからもがんばってください。本日はありがとうございました。
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[聞き手]中島 恵(なかじま・けい ジャーナリスト)
1967年山梨県生まれ。新聞記者、香港留学を経てフリーに。中国など東アジアの社会事情に精通。著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』、『中国人の誤解 日本人の誤解』などがある。
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※「新潮45」2014年1月号〈特集 世界はだいたい日本の味方〉
李: そうですね。日本でも中国と同じようにデモとか暴動が起きていると思い込んでいる人もいますので。そんなことはあるわけないんですが。
黄: 日本に住んでいて、日本人にいじめられませんか? と聞かれました。
――日本の報道はもちろん日本の立場から報道しているわけですけど、それをどんな気持ちで見ていたんでしょう?
張: 私は中国人が最初に悪いことをやったと思っているので、日本の報道を見て不愉快になったりはしなかったです。昨年、あの島の問題について日本人の先生から「張さんはあの問題をどう思っているのですか?」と質問を受けました。そのとき、その場にいた外国人は私ひとりだけだったので「そんなに簡単に答えられることではありません」と答えました(笑)。ちょうどその後、別の先生が中国に出張することになって、案内の人に「危ないですから外に出ないでください」といわれた時すごく怖かったそうですが、実際には何も起きず、中国人にすごく親切にしてもらったと話していました。
李: デモと直接は関係ない話ですが、日本政府があの島を国有化したことに関して、中国の友だちから「国有化って何ですか」というのは何度か聞かれました。中国では土地はすべて国家のもので、個人や企業は購入できません。使用権しか持てない中国人にとって、日本の一民間人から国家が土地を購入するという行為は、どう考えても理解できないものだったのです。それに、当時の野田政権が国有化の方針を明言したのは7月7日でしたが、あの日は盧溝橋事件が起きた日でした。そうした中日にとって敏感な日になぜわざわざ決定したのか。そういう疑問を持つ友だちもいました。
――そもそも皆さんは学校時代に尖閣問題について教わっていましたか?
全員: いえ、全然知りませんでした。習ったことはないです。
黄: でも、今、中国人に「あの島は誰のものか」と聞けば、みんな「中国のものだ」と答えますよね。
張: そうですね。でも、本当はあの島がどこにあるか、地理もわからない人が多いですけどね。
李: 現代国家としては、ほとんどの国が隣の国との領土問題を抱えているので、こういう紛争があるのはある意味では当たり前だと思います。日本の隣国は中国、韓国、ロシアだけですが、中国は10以上の国と国境が接していますので、常にこうした問題は抱えています。ただ、日本との領土問題については頭に血が上ってしまう人が多いような気がします。
――最後に、皆さんは今日本にいますけど、将来はこのまま留まる予定ですか。あるいは中国に帰る予定ですか?
黄: 私は修士1年生ですが、今は東京に残って働いてみたいと思っています。
張: 私は修士2年生で、今、修士論文を書きながら就職活動もしているんですが、やはりもう少し日本にいたいと思います。
李: 私は今すでに東京で働いていますが、まだ今後どういう方向に進むかは明確には決めていません。
――中国に住んでいる友だちはどういう方向へ進んだのでしょう?
張: 今は中国も大卒者が非常に多く、名門大学でも就職はとても難しいので、いい就職口がなかったから大学院へ進学した、という友だちもけっこういます。
黄: 一人っ子世代は親のプレッシャーがあって大変ですけど、好きな仕事につきたいと思う気持ちは同じです。
――3人とも、これからもがんばってください。本日はありがとうございました。
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[聞き手]中島 恵(なかじま・けい ジャーナリスト)
1967年山梨県生まれ。新聞記者、香港留学を経てフリーに。中国など東アジアの社会事情に精通。著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』、『中国人の誤解 日本人の誤解』などがある。
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※「新潮45」2014年1月号〈特集 世界はだいたい日本の味方〉
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最終更新:2月12日(水)14時54分
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