2013.12.7(土)
平成二十五年度子どもゆめ基金助成事業
講演会『子どもが本と出会う場所』
平成二十五年十二月七日八王子市中央図書館
講師 堀川照代さん(青山学院女子短期大学教授)
小春日和、家族連れで公園にでも出かけたいような一日。
そんな土曜日の午後、堀川先生の講演会にいらっしゃった方は、30名ほど。八王子市中央図書館の会場は、満席となりました。そして、堀川先生のお話は、そうして集まった人たちに、たっぷりと陽射しをあびたあとのような満足感と、明日から取り組むべきことの指針と意欲をもたらせてくださいました。
「学習に使われなければ、学校図書館ではありません。」と、いくどかくり返された、この堀川先生の確信に満ちた言葉に、講演に先立って司会者が講師紹介の際に口にした「目からうろこが落ちる」ということが、実感できました。
「学習」というのはもちろん公共図書館の学習室で見かけるような自習のことではありません。学校の教育の一環として行われる学習のことです。八王子市内の発展途上の学校図書館の現状を踏まえて、堀川先生は、学校図書館の役割、学校図書館を利用すると子どもたちのどんな力を育てることができるのか、学校図書館を活性化するにはどのような方法があるのかなどを、わかりやすくDVDの映像による実践例の紹介を交えて、お話し下さいました。
講演会後のアンケートには、「図書室は読書をするところ、としか考えていませんでした」「学校図書館を授業で使うって、こんなことなのかと初めて知り、驚きました。」というようなコメントを何人もの方が書き込まれていました。
「学校図書館の教育って、すばらしいんですね。自治体の行政努力で、すべきことがあると実感しました。」と少し興奮気味に、主催者に声をかけて会場を後にしていった八王子市の教育行政関係者の方もいました。
私たち「八王子に学校図書館を育てる会」主催の、子どもゆめ基金助成事業の今年度の取り組みはこれで閉幕となりました。私たち会員自身にとってももちろんですが、この事業を通して、さまざまな立場の、多くの方々の心に、何らかの「種」を残すことができたら、こんなうれしいことはありません。パート1『学校図書館井戸端会議』、パート2『子どもの本を読みましょう』、そしてパート3『子どもが本と出会う場所』すべて会場満席という形で実施できました。改めて、参加してくださった一人ひとりの方に感謝申し上げます。そして、次年度の取り組みにもご参加、ご協力をいただけるようお願いいたします。
(S.S 記)
2013.10.19
平成二十五年度子どもゆめ基金助成事業
講演会『子どもの本を読みましょう』
平成二十五年十月十九日八王子中央図書館
講師 広瀬恒子さん(親子読書地域文庫全国連絡会代表)
小雨の中、三十余名の参加者で会場は満席となりました。
子どもの本の全体的動向として、家族や友達との人間関係の中でというより、たべもの・職業・仕事などの具体的事物に引きつけて子どもの成長を語る傾向があるとの指摘がありました。『じったんのオムライス』〔大久保 美行 (著), 大野 八生(画)くもん出版〕、『オレたちの明日に向かって』〔八束澄子 (著) ポプラ社〕、『ジャコのお菓子な学校』〔ラッシェル オスファテール (著), 風川 恭子 (画), ダニエル遠藤 みのり (訳) 文研出版〕、『林業少年』〔堀米 薫 (著), スカイエマ (イラスト) 新日本出版社〕、『ぼくは、いつでもぼくだった。』〔いっこく堂 (著), 中村 景児(画) くもん出版〕などの作品の紹介がありました。絵本では『えんそくごいっしょに』〔小竹守 道子 (著), ひだ きょうこ(画) アリス館〕、『だるまのしゅぎょう』〔ませぎ りえこ (著) 偕成社 〕など小学生にすぐにでも読んでやりたくなるような楽しい作品の紹介がありました。
『炎路を行く者』〔上橋 菜穂子 (著), 佐竹 美保(画), 二木 真希子(画) 偕成社〕、『八月の光』〔朽木 祥 (著) 偕成社 〕など、中学生に、人生や社会を見つめるきっかけとなるようにすすめたくなる作品の紹介もありました。
その他にも魅力ある作品について、広瀬さんは、自らの思いを込めてたくさん語ってくれました。その思いをたっぷり受けた私たちは、それを子どもたちへという思いをつのらせて会場を後にすることができました。
(S.S 記)
2013年度今までのレポート
2013.7.11 『学校図書館井戸端会議』レポート
2013.9.8 会員内研修『製本講座』レポート
については、
広報誌『学校図書館Take off!』を参照してください