絵本いのちをいただく:食肉解体の男性「感謝伝えたい」
毎日新聞 2014年02月08日 08時00分(最終更新 02月08日 08時36分)
坂本さんは、講演で出向く先々で給食の残飯の多さを訴える声を聞き「今は食があふれている」と憂う。一方、講演を聞いた子どもや親から「給食を残さず食べます」「ピーマンも魚も命だけん、食べないかんね」「子どもが『いただきます』を言うようになりました」といった感想が届く。「本に『残さず食べよう』なんて一言も書いていないのに、命をもらって私たちが生きていることを子どもたちは感じている」と受け止め、伝えることの大事さを実感するようになった。
老朽化したセンターは来年度末に閉鎖予定で、人員整理が進む。解体作業は別の施設で行われるが、これを機に、坂本さんは多くの講演依頼に応えようと退職を決意した。「これからは子どもたちの前で目いっぱい、動物たちの思いを伝えたい」と話している。【青木絵美】