号外 (2月12日)
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【北陸発】縄文前期の人骨91体 富山・小竹貝塚 北方系、南方系が混在
縄文時代前期の貝塚としては日本海側最大級の小竹(おだけ)貝塚(富山市呉羽町北、呉羽昭和町)から発掘された人骨が少なくとも九十一体に上ることが分かった。富山県文化振興財団が十六日発表した。これまで国内で見つかった同時代の人骨の総計八十体を一カ所で上回り、国内最多。(豊田直也) 頭上に直径約五センチの小さな土器を載せた状態で埋葬された人骨や土器の中に収められた子供の骨も見つかり、国立科学博物館人類研究部(茨城県つくば市)の坂上和弘研究主幹は「縄文前期の死生観を考える上で大変貴重な資料となる」と話す。 DNA鑑定の結果、ロシアのバイカル湖周辺や北海道の縄文人に多い北方系と、東南アジアから中国南部に多い南方系の人が混在していた。 死亡時の推定年齢は、十代後半から二十代が十五体と最多で、当時としては極めて高齢な六十歳以上の人骨もあった。縄文後期・晩期の推定平均身長一五八センチを大きく上回る一六五センチ以上の個体も見つかった。 九州や伊豆諸島以南に生息する貝殻を使った腕輪や東北地方の土器のほか、長野、岐阜、新潟各県で産出する石や国内最古のヒスイを使った石器も発見され、他地域との交流があったことも判明した。 シバイヌほどの大きさの犬の骨二十一体も出土し、人と犬の深い関わりを裏付けた。石器の先端が刺さったイルカのあばら骨も見つかっており、イルカ猟の貴重な資料となりそうだ。 深さ二、三メートルに埋没していたために保存状態が良いといい、同財団埋蔵文化財調査事務所の町田賢一主任は「日本海側の縄文人の生活を知る上で画期的な資料となる」と話す。 小竹貝塚 約5530〜6750年前の遺跡で、富山市の呉羽丘陵と射水平野の間に立地。北陸新幹線の建設工事に先立つ2009、10年度、県文化振興財団が遺跡の一部にあたる1280平方メートルを発掘調査。国立科学博物館人類研究部とともに、出土品を研究していた。 PR情報
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