「時事深層」

自民の円安政策を「転換する」

藤井財務相・単独インタビュー

  • 杉山 俊幸

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2009年10月19日(月)

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ガイトナー米財務長官との会談での発言が「円高容認」と伝わり、為替相場が揺れた。「全くの誤解」と言いながらも、内需振興と円安誘導は矛盾すると指摘する。藤井裕久・財務相に、直接「真意」を聞いた。

 民主党がマニフェスト(政権公約)を実行に移すと、産業界にはどれほどのインパクトが広がるのか。製造業派遣の禁止、CO2(二酸化炭素)の排出量25%削減、高速道路の無料化…。肝いりの政策には業界構造を根底から覆す“劇薬”も混じる。ヒト・モノ・カネの流れを変えそうな6つの注目政策の影響度を探ってみた。

 20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の開幕前の9月24日に行われたティモシー・ガイトナー米財務長官との会談で円高容認とも受け取れる発言をしたとマスコミが伝えました。

藤井裕久・財務相
藤井裕久・財務相に、直接「真意」を聞いた(写真:清水 盟貴)

 為替が今、何で動いているかを見極めないといけません。一部マスコミは「財務大臣の発言によって為替が動いた」とか言っている。あれは全くの誤解なんです。会談でガイトナー氏は、米国経済を貯蓄中心に持っていきたいと語りました。それはつまりドル高につながる。私は「結構なことです」と返した。

 同時に「1930年代のことを我々は考えないといけない」とも私は伝えました。あの頃、世界は為替ダンピングによる競争的な通貨安政策に陥りました。それが各国経済を悪化させ、第2次世界大戦が起こる経済的側面となった。私はそう理解しています。

 つまり日本の円について円安政策がよくないと言ったわけではない。

 私は世界(の通貨政策)に対して訴えたんです。そうしたら一部のマスコミが「円高容認」とか「円安はダメ」と、部分的に紹介してしまった。私は、日本の円の話をしたんじゃないんだ。世界的な競争的通貨安政策はダメと戦前の反省から言ったんです。米国にしてみればドル高を意味するわけだからガイトナー氏だってウエルカムです。

 しかし足元は、ドル安円高です。

 そこには恐らく、米国が取る超金融緩和政策が関係していると思います。ドル高へと進まない現実がある。

自民党政権は円安に振る政策

 有識者の中には、日本政府による為替介入は、1ドル=80円が1つのラインとの指摘もあります。

 財務相という立場上、為替レートのことは言えません。その有識者のご指摘も全く的外れではないかもしれないが、それ以上はご勘弁。ただ無軌道な動き、異常な動きになった時には何らかの対策が必要です。

 為替介入ということですか。

 何らかの対策が必要だと。

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