<PC遠隔操作>初公判で片山被告が無罪主張「事実無根」
毎日新聞 2月12日(水)11時6分配信
パソコン(PC)の遠隔操作事件で威力業務妨害罪などに問われた元IT関連会社社員、片山祐輔被告(31)は12日、東京地裁(大野勝則裁判長)の初公判で「徹頭徹尾、事実無根です」と無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、片山被告の職場のPCに遠隔操作ウイルスの痕跡が残されていたと指摘。「ウイルスを作成・修正したことを示す文字列が見つかり、試作プログラムそのものも保存されていた」と明かした。昨年1月にウイルスの設計図が入った記憶媒体が神奈川・江の島の猫の首輪に取り付けられた経緯については、防犯カメラの映像などを根拠に「片山被告が22分の間に取り付け、写真も撮った。何度も周囲の様子をうかがいながら作業し、撮影後はガッツポーズする特異な行動を取っていた」と述べた。
これに対し弁護側は午後の冒頭陳述で、片山被告のPCや携帯電話が遠隔操作された可能性があることや、ウイルス作成に必要なコンピューター言語を使う能力がない−−などと反論する方針。弁護側は「有罪の決め手はない」として、全ての検察側証拠の採用に同意している。
起訴状によると、片山被告は2012年6〜9月、遠隔操作ウイルスに感染した福岡県の男性のPCを使って東京都内の幼稚園に「始業式を狙って襲ってやる」とのメールを送信するなど、計9件の犯行予告をしたとされる。福岡の男性を含む計6人のPCを感染させたウイルス供用罪でも起訴されている。
一連の犯行予告事件では、警視庁、大阪、神奈川、三重の4都府県警が男性4人を威力業務妨害などの容疑で逮捕した。しかし、PCが遠隔操作されていたことが判明し、誤認逮捕を認めた警察は4人に謝罪した。【山本将克】
最終更新:2月12日(水)12時52分