収束作業は一体どの程度進んでいるのか? なぜ現場ではトラブルが絶えないのか?汚染水の実態はどうなのか? 作業員達はどのような心境で収束作業に臨んでいるのか? Twitterに寄せられる一般からの疑問にも答え続けてきた。
そうしたTwitterの内容を元にあらたに再編集し書き下ろした著書『福島第一原発収束作業日記 3.11からの700日間』(河出書房新社)が反響を呼んでいる。東京都知事選挙でも、原発の是非は争点の一つだ。事故から間もなく3年。東電福島第一原発の収束作業員は今、何を思い作業を続けるのか---現場からの告発インタビューをお届けする。
フラットな目線で、今起きていることを何の意図もなく書いた
---ハッピーさんは、原発事故以来、現場の作業員としてtwitterで発信を続けてきた訳ですが、なぜ今回本にまとめることにしたのでしょうか?
きっかけは去年、2013年の2月くらいにフォロワーの皆さんから「書籍化してほしい」というリプライが届く様になったんです。「書いてよ」「残してよ」という声が次第に多くの方から寄せられるようになりました。
『ルポ イチエフ――福島第一原発レベル7の現場』(岩波書店)の著者、布施祐仁さんに相談をしたんですね、「本の作り方を知らない」と打ち明けると、執筆作業から協力してくれました。
---執筆作業はどのように進められたのですか?
去年の3月くらいから本格的に原稿に向き合い始めました。まず自分の過去のツイートを読み返すところから始めたのですが、ちょうどその頃って、原発のニュースがほとんどなかった時期なんですよね。2月、3月、4月。さも何もなかったかのような状況。しかし、5月に地下貯水槽の漏洩問題があって、ようやく報道がまた始まったんですよ。
その後は、放射性核種を取り除く装置、アルプスが稼働できない状況が続いたり、タンクの貯水能力が追いついていなかったり、イチエフからの汚染水が海に流出していることもみつかり、次第に盛んに報道されるようになっていったのですが、僕がこの本を書きはじめたころは、ニュース番組でもほとんど報じられていなかったんですね。
このまま全然報道されなくていいのかなと。忘れらさられて、もう収束作業は終わっているようになっちゃってんじゃないかと。それに、住民帰還のための警戒区域はどんどん解除されるし、除染もどんどん進んでいって返されちゃうし、今の段階、今の僕の頭の中では脱原発とか推進とか、今の時点で議論するというところまでいかないんですよ。
僕はもう、目の前というか、今携わっているイチエフの収束作業と、今の地元の人たち、避難している人たち、今後汚染されている区域がどうなっていくのか、どうしなきゃいけないのか、自分に何ができるのか、というのが一番で、その問題をどうするのかという、それ以上のことは考えられない状態なんですよね。だからそこをまず何とかしたい、と。
- ハッピーさん(@Happy11311)インタビュー ~東京電力福島第一原発収束作業の現場から、作業員の訴え (2014.02.08)
- シリーズ「テレビがテレビではなくなる日」 【第2回】 パナソニックCM拒否問題 業界ルールに配慮でイノベーション後退 (2013.09.19)
- シリーズ「テレビがテレビではなくなる日」 【第1回】 放送と通信の融合「ハイブリッドキャスト」がバカにできない理由とは (2013.09.05)
- "2枚目の名刺"が日本の労働市場を活性化させる!---ワンコインマーケット「ココナラ」代表・南章行氏インタビュー(後編) (2013.08.20)
- 独立系資本主義が拡大する未来とは? ---ワンコインマーケット「ココナラ」代表・南章行氏インタビュー(前編) (2013.07.26)
- 福島第一原発作業員 緊急座談会「汚染水処理の現場はヤクザとど素人だけになった」 (2013.10.22)
- 徹底解明 あなたとあなたの家族の生命がかかっている「原発汚染水」これが真相だ【第1部】現実問題として原発汚染水は封じ込められるのか (2013.10.03)
- スクープ!福島第一原発現場からの内部告発 流れ出す放射能汚染水 (2011.07.06)
- 国民的大問題 どこまで行っても先は見えない 東電社員がみんなやる気をなくしたら フクイチから誰もいなくなる日 (2013.11.13)
- 「私も鉛カバーで線量計を偽装させられました」フクシマ原発作業員が本誌に激白!「仕事がなくなるだろ、と言われて・・・」 (2012.08.05)
-
-
-
テレビのヨミカタ『SPEC』と『トリック』---映像を自由自在に操る「堤マジック」の"表"と"裏" (2014.02.12)
-
経済の死角初心者がいまから儲ける「IPO株」で資産を2倍に、3倍に 手続き簡単、勝率は96%超! (2014.02.12)
-