自民党の西川公也・環太平洋経済連携協定(TPP)対策委員長は8日の講演で、日本と豪州の経済連携協定(EPA)交渉に関して「牛肉で豪州に優遇策をやってもいい。なるべく早く結論を出したい」と述べ、豪州産牛肉の関税引き下げに言及した。

 栃木県日光市内で開いた講演で明らかにした。日豪間の交渉は先月再開し、今春の妥結をめざしている。関税の引き下げ率については、「(国内牛肉への影響が)出るかもしれない、出ないかもしれないというギリギリの交渉を(日豪政府間で)やっているのは事実だ」と語った。

 日本国内の牛肉市場は米国産と豪州産が競合しており、日豪間で一定の関税比率で合意することで、TPP交渉で関税撤廃を求める米国に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。日豪間では昨年5月、冷凍肉の関税率を38・5%から約30%に下げる案を協議したがまとまらなかった。