ニューヨーク連邦地検から保釈され、報道陣の前に姿を見せたビットコイン交換会社最高経営者(CEO)のチャーリー・シュレム容疑者=2014年1月27日、米ニューヨーク(ロイター)【拡大】
シュレム容疑者ら2人はこのサイトが匿名性の高いビットコインでのみ商品取引していた点に着目した。まず11年にファイエラ容疑者が「BTCKing」を名乗って接近し、顧客がビットコインに両替する際、匿名を保持する代わりに手数料9%を要求した。ビットコインの調達先は世界的にも規模が大きなビットコイン交換会社の一つであるシュレム容疑者の「ビットインスタント社」だった。
日本の国税庁に当たる米内国歳入庁(IRS)は、2人が11年12月からサイト閉鎖の13年10月までに少なくとも105万ドル(約1億円)分のビットコインを販売し、違法薬物販売業者の資金洗浄に加担したとみている。
拡大市場、業界に衝撃
ニューヨーク在住のシュレム容疑者は、ビットコイン利用促進推進団体の副会長で、経営する「ビットインスタント社」には米フェイスブックの所有権をめぐって争った著名投資家、タイラーとキャメロンのウィンクルボス兄弟が150万ドル(約1億5000万円)を投資するなど、業界の成功者として注目を集めてきた。それだけに訴追報道の衝撃は大きく、ビットコイン財団は「驚き、ショックを受けた」との声明を発表。ビットコインの価格は27日夕、米市場で前日比7%ダウンの810ドル(約8万1000円)に下げた。