ロナルド・トーマス氏
【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米軍嘉手納基地跡地にある沖縄市サッカー場の土壌汚染問題で、米カリフォルニア州に住むロナルド・トーマス氏(61)=退役空軍少佐=が5日、「1969〜70年にこの場所に除草剤などが入っていたドラム缶を10本ほど捨てた」と証言した。トーマス氏によるとこの場所は当時、基地内の「非公式なごみ捨て場」として使われており、米軍のずさんな土地管理が浮かび上がった。トーマス氏は当時高校生で、父の駐留に伴い沖縄におり、アルバイトでこの作業をした。米軍軍曹の指示で捨てたという。(2、32、33面に関連)
トーマス氏はこの場所に使用済みの空のドラム缶や書類、塗料の空き缶などを投棄した。ドラム缶は55ガロン(208リットル)容量で、白地で「除草剤」や「嘉手納基地」と書かれていた。
トーマス氏はこのアルバイトで、沖縄の基地従業員が基地内の運動場や施設周辺に除草剤を散布する作業にも同行し、草木の伐採作業をした。散布された液体について「1カ月ほどするとまた雑草が生えてきたので、(ダイオキシン濃度が高い)枯れ葉剤ではなかったはずだ」と述べた。
ダイオキシン類に詳しい愛媛大学の本田克久教授は「枯れ葉剤をまいても、自然環境の影響や揮発、自己分解で1カ月程度で効力を失うことは考えられる。枯れ葉剤の効果の時間と毒性に関連はない」と指摘した。
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