Wakamonoiz

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prayforjapan.jp

見ず知らずの人達でも、善意だけでソーシャルネットワークの力を引き出すことが出来たこと、その可能性に気づいた。

–遠藤さんにとって、今後のprayforjapan.jpの「課題」と感じることはありますか?

3月から4月の間、重点的にマネージメントに関わっていたこともあって、たまってしまった授業課題や単位の埋め合わせで、マネージメントが追い付かず、うまく進んでいないというのがあります。8月下旬に発売される電子書籍版(13カ国語対応)については、日本語、英語、中国語、韓国語はすでにリリース出来る状態ですが、ベトナム語、マレー語、カンボジア語の東南アジア系の翻訳者が不足しているので、集めなければいけないです。あくまでボランティアで雇った翻訳者であることが条件なので、自主的に関わってもらうというのもなかなか難しいです。

※本記事は昨年2011年8月に行ったインタビューを元にしています。
実際の電子書籍版「『PRAY FOR JAPAN – 3.11 世界中が祈りはじめた日』は、2012年2月27日にiPhone・iPad、Androidアプリとして配信され、翻訳は英語・中国語・台湾語・ 韓国語・ スペイン語・イタリア語の7言語で収録されました。詳しくはウェブサイト、アプリをご覧ください。

–プロジェクト全体を通して感じたことは何ですか?

見ず知らずの人達でも、善意だけでソーシャルネットワークの力を引き出すことが出来たこと、その可能性には、このプロジェクトに関わっていなければ気付けませんでした。人の繋がりも大切で、ソーシャルネットワークを使って人々の不安を取り除くことの必要性を感じました。
また意外なことに、震災に対する不安というのは、被災地よりも非被災地の人達の方が強いのではないかと気付きました。報道や映像に不安を煽られることに加えて、被災地の厳しい状況に対し無力と感じる苦悩もその因子になっているようでした。とりわけ海外に住む在外日本人にとっては、物にも電気にも困らない自分達の立場は辛く、翻訳プロジェクトに加わって貢献できたということは自分自身の癒しになったようです。非被災地の人にとって、このプロジェクトは相乗効果があったようです。

–今後の震災支援の在り方について考えを教えてください。

海外で、今後同じような事件が起きた場合、国内にいる人々の不安を取り除く、心を癒す存在が必要だと思います。そういう意味で、ソーシャルネットワークは必要ですし、そうしたプラットフォームを世界に作ってもいいんじゃないか、と考えています。プロジェクトに加わり、能力を使えることで凄く心が救われる人もいるので、言語を使える人はどんどん翻訳を行ってくれます。今回起きたノルウェーの惨事や、以前のハイチ、スマトラの地震でもそういったソーシャルネットワークがあっておかしくないのではと思いました。

–そういったサイトが災害時に海外で作られた場合、日本語が翻訳対象の言語として選ばれるために必要なことは何だと思いますか?

条件はいくつかあると考えます。一つは、プロジェクト内の人間が、どんなマイナー言語も受け入れる態勢でいることです。次に、その国の災害時に、日本が支援をしてきた背景があるかです。つまり諸外国内で日本に対して、感謝したいと思わせる状況が起こっている事が大事です。今回の震災で、東南アジアが日本を支援してくれたのも、過去に日本のODAの支援があったからと言えます。加えて、日本でその国の被災状況が認知されているかどうかですね。

–その際に、日本語対応における援助を求められた場合、遠藤さんならどのように対応すると思いますか?

Facebookには、翻訳をしていなくても、閲覧をしている人達が沢山いるので、そこで呼び掛ければ拡散も早いです。翻訳スタッフの中には、「また何かあれば」と言ってくれる人もいるので、声をすぐにかけて、メンバーを揃えることも出来ます。翻訳スタッフ同士はボランタリーの仕事として繋がってきていたし、強制力を働かせないために、他団体などの翻訳プロジェクトのネットワークを固め過ぎないことが、相互の活動を高める上で大事なことだと思います。

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Written by wakamonoiz

2012年5月15日 at 2:31 AM

Posted in インタビュー

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