光化門復元用の木材、工事責任者が横領か

工事責任者の木材店で発見
警察「確保した木材の鑑定を依頼」

 崇礼門(南大門)や光化門の復元工事をめぐる手抜き疑惑について捜査を行っている警察庁知能犯罪捜査隊は10日、木工分野の総責任者を務めた大工シン・ウンス氏(72)が経営する江原道江陵市の材木店で、文化財庁が供給した金剛松と推定される松の木12本(加工されたもの)を確保した、と発表した。

 光化門の復元に使われなければならなかった木材が、工事が終わった後、外部から見つかったことになる。警察はシン氏がこれを、個人的に横領したのか否かについて確認を進めている。

 文化財庁は2009年、光化門の復元工事が行われた当時、江原道三陟市の濬慶墓と同道襄陽郡の法水峙渓谷で金剛松を伐採し、シン氏が責任者を務める工事団に引き渡した。警察は最近、木材の搬入・搬出の内容に関する証言などを基に、光化門の復元に使われなければならなかった木材が横領された証拠をつかんだという。警察の関係者は「光化門の治木場(木材を手入れする場所)から、木材が外部に持ち出される理由がない。金剛松のうち一部がシン氏の木材店に持ち出され、実際の光化門の復元工事には別の木材が使われた可能性があり、その有無について確認を進めている」と語った。

 警察はシン氏が任意で提出した12本の松の木の出所を把握するため、近く鑑定を依頼する方針だ。今回警察が確保した松の木は、崇礼門の復元工事とは直接的な関係はない、と警察は説明した。

 一方、警察はこれとは別に、崇礼門の復元工事にロシア産の木材が使われたという疑惑についても捜査を進めている。警察の関係者は「国立山林科学院が木材の遺伝子検査を行っており、その結果は1-2週間後に明らかになる見通しだ」と語った。

キム・ヒョンウォン記者
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