平田被告公判:かくまった元信者「長官狙撃の時効までは」
毎日新聞 2014年02月10日 12時21分(最終更新 02月10日 12時36分)
元オウム真理教幹部、平田信(まこと)被告(48)の裁判員裁判の公判が10日、東京地裁(斉藤啓昭=ひろあき=裁判長)であり、平田被告と一緒に約17年間逃亡した元信者の女性(51)が証人出廷した。元信者は「私が平田をかくまっておりました。信頼、尊敬できると感じていました」と述べ、「(警察庁長官狙撃事件の)時効が成立するまで逃げようと話していた」と述べた。
証言によると、2人が逃亡を始めたのは1995年の教団への強制捜査後。「教団が混乱し、先行きが不安」と感じていた時に、平田被告から「出た方がいい」と誘われた。95年3月に起きた長官狙撃事件に平田被告が関与したとする報道があり、「オウムだと何を言っても信じてもらえない風潮があった」と逃亡を続けたという。
事件は2010年3月に公訴時効が成立。平田被告は11年末に出頭し、元信者も12年1月に出頭した。逃亡生活中は、元信者が仙台市の日本料理店や大阪府の整骨院に勤務するなどして生計を支えた。平田被告はほとんど外出しなかった。
元信者は平田被告をかくまったとして犯人蔵匿罪などで懲役1年2月の実刑が確定し、既に出所している。【山本将克、和田武士】