「長官狙撃時効まで逃げようと話し合った」2月10日 16時17分
オウム真理教の平田信被告の裁判で、14年にわたって被告をかくまった元信者の女性が逃亡生活について証言し、「警察庁長官狙撃事件の時効成立までは逃げようと2人で話していた」などと話しました。
東京地方裁判所で行われている平田信被告(48)の裁判で、14年間にわたって東大阪市のマンションで被告をかくまい、実刑が確定して服役した元信者の女性が証人として出廷しました。
女性は「強制捜査で混乱しているときに平田被告から電話があり、『できるなら一緒に来てほしい』と言われた。2人で仙台へ向かい東北の温泉地を転々としたあと大阪に住むようになった。平成7年に起きた警察庁長官狙撃事件で犯人と疑われていたので、このままではえん罪になると思い、時効成立までは逃げようと2人で話し、私もかくまう決意を固めた」と話しました。
その後、出頭した理由について、「2人で話し合ったが東日本大震災が起きてたくさんの人たちが被災している様子をみてけじめをつけようと思った」などと証言しました。
そのうえで今後について、「今までまじめに生活する姿勢を見てきたので、平田被告が刑を終えるまで待ち続けます」と話しました。
同居女性が語った逃亡生活
元信者の女性は、10日の法廷で逃亡中の被告との生活について次のように証言しました。
女性は「逃亡中に平田被告が名古屋で会った教団の林泰男死刑囚から教わった話を参考に、会社の寮に住みながら働くことができる仕事を探した」と話しました。
また、同居中の被告の様子について、「トイレの水を流すことを控えるなどできるだけ物音を立てないようにして暮らしていた。
被告は日中読書をするなどして過ごしていたほか、一時期は内職もしていたが1人で外に出ることはなかった。寝ている時に急にうなされて具合が悪くなることもあった。事件のことを思い出しているのではないかと思った」などと話しました。
さらに出頭した経緯については、「事件に関する報道に接した際に出頭すべきかどうか2人で話し合ったこともあり、東日本大震災でたくさんの人たちが被災している様子を見てけじめをつけようと決めた。
出頭の際に被告は『巻き込んでしまって家族に申し訳ない』と言い残して出て行った」と話しました。
なぜもっと早く出頭を促さなかったのかと尋ねられると、「警察庁長官狙撃事件では犯人と疑われていて、えん罪になると思ったので愛する人を守りたかった。時効が成立後も彼と離れるのがつらかった。平田被告が刑を終えるまで待ち続ける。出所後は仕事に就いて自立してほしい」などと答えていました。
このほか、女性は平田被告が持っていた現金800万円を、死亡した拉致事件の遺族や一連の事件の被害者を支援する組織に支払ったことも明らかにしました。
[関連ニュース] 自動検索 |
[関連リンク] |
|