武装自警団に「お墨付き」=無法地帯に民間活用―メキシコ
時事通信 2月11日(火)14時48分配信
【サンパウロ時事】メキシコ政府は中西部ミチョアカン州で麻薬組織と戦う自警団に対し、国防軍傘下の正規の組織として認め、ライフルなどの武器携行を認める「奇策」に乗り出した。州政府の警察能力では対応できない「無法地帯」の治安を守るため、民間勢力を活用する考えだ。
麻薬組織「テンプル騎士団」による誘拐や略奪が長年横行するミチョアカン州。治安は一向に改善せず、住民は「州政府や地元警察は巨額の麻薬マネーに買収され、麻薬組織にとっての無法地帯となっている」と不信感を募らせる。
業を煮やした地元農民らは2013年、拳銃やライフルで武装した自警団を結成し、麻薬組織への反撃を開始した。地域住民の支持も獲得し、激しい銃撃戦の末、年末までに麻薬組織の拠点都市を次々と制圧した。
武装解除の要請にも耳を傾けない強硬姿勢の自警団がマフィア化するのを恐れた連邦政府は今年1月、国防軍傘下の地方警備隊員としての身分を与えることで自警団と合意した。治安維持に必要な通信機材の提供を申し出るなど信頼回復に努めるとともに、将来的には自警団メンバーを警察官として採用することも検討するとした。
最終更新:2月11日(火)15時18分
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