ゾウの背に乗り大喜びの松田(右)と牟田=タイ・チェンマイで(布藤哲矢撮影)
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【チェンマイ(タイ)木村尚公】名古屋グランパスのタイ・キャンプは10日が唯一の休日となり、選手たちは思い思いの方法でリフレッシュした。ゾウとのふれあいを楽しんだ新人FW松田力(22)=びわこ成蹊スポーツ大=は開幕スタメンへの決意を新たにし、今後の練習試合で「1試合1ゴール」をノルマに掲げた。
高さ3メートルに達しようかという巨大なゾウの背で、松田がプロとして最初の目標を再確認した。「開幕スタメンは最初から狙っている。自分の良さを出せているし、(西野監督の)構想内に残っていると思っている」
ここまでの練習試合2試合はいずれも主力組。9日のバンコク・ユナイテッドFC戦ではFWケネディを押しのけて先発に抜てきされた。西野監督からは「ジョシュア(ケネディ)とは違い、守備面でアグレッシブさが出た」と高評価を得た。
松田にとって開幕スタメンは、目標から、越えなければならないハードルに変わりつつある。「玉田さんやジョシュアという強敵と競争できる。それが楽しくもある」。元日本代表や、2年連続得点王との争いを「楽しい」と表現する強心臓。これが松田の強みだ。
足りないのは「得点」というFWに不可欠なアピールポイント。バンコク戦では決定機を外す場面もあった。「GKが出てきたからループで狙ったんですが。(利き足ではない)左足になって…」と悔しがる。
「これからは毎試合結果を残すことが開幕につながる。すべての試合でゴールを狙います」
12日にはチャイナートFCと練習試合、15日のトヨタプレミアカップ・ブリラム戦、16日のバンコクとの再戦と試合が続く。さらに帰国後の22日にはFC岐阜との練習試合が組まれている。
開幕まで残り4戦。出た試合すべてでネットを揺らせば、松田の開幕スタメンには自然と当確ランプがともる。
【松田力(まつだ・りき)】 1991(平成3)年7月24日生まれ、大阪府出身の22歳。176センチ、70キロ。スピードとパワーを兼ね備えたFW。立正大淞南高からびわこ成蹊スポーツ大へ。3年時に関西学生リーグ1部で25得点を挙げて得点王。昨年は大分の特別指定選手としてJ1で9試合に出場し4得点。双子の兄・陸はFC東京入りした。
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