NZから大移動を敢行、決勝前日練習で雪と戯れる田中=群馬県太田市のパナソニックグラウンドで
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サントリー3連覇かパナソニック3年ぶりか−。大雪のため9日から延期されたラグビートップリーグ・プレーオフ決勝がきょう11日、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。3年連続4度目の優勝を目指すサントリーに対し、3年ぶり2度目の優勝を目指すパナソニックはNZから緊急帰国のSH田中史朗(29)が先発。仕切り直しのキックオフは午後2時5分。
グラウンドに出たのはわずか20分。それでも、住み慣れた太田の冬は満喫した。真夏のニュージーランド(NZ)から緊急帰国した田中は、練習の最後には自らグラウンドを囲む雪の山に飛び込み、時差ボケも季節ボケも、移動疲れも吹き飛ばした。「体は全然平気です。これで試合に出られなかったらドッと疲れるでしょうけど…」。田中は童顔をほころばせた。
田中は2年目のスーパーラグビー開幕に備え、東芝との準決勝終了後にNZへ渡り、7日に行われた練習試合に出場すると、試合後にチャーター機でオークランドへ移動し、8日朝の便で帰国。しかし成田着の時刻がちょうど雪のピークにぶつかり、上空で40分も旋回待機。ようやく着陸すると電車も道路もストップ。周辺のホテルも満杯で、急きょ中島監督の後輩宅に転がり込んだのが午後10時。9日も、太田に戻ったのは夕方で、チームとの合流は10日朝の練習から。
それでも中島監督は「ウチのベストの選手ですから」と先発で起用する。地球を股に掛けた空飛ぶSHが、パナソニックを王座に導く。 (大友信彦)
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