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目上の人に「了解」は失礼?
2月11日 0時05分

職場の上司や先輩など目上の人から何か指示を受けたときに、「了解しました」と答えるのは失礼かどうか、という議論がインターネットで話題になっています。
「了解しました」「承知しました」、職場であなたは使い分けていますか?

ネットで話題になっているのは「『了解』は失礼か?」というタイトルのブログ記事で、この記事に反応して「「目上には『了解』ではなく『承知』を使う」は誤用」というタイトルのブログ記事も注目を集めました。
職場の上司や先輩など目上の人に「了解」ということばを使うことが、失礼に当たるかどうかについていろいろな角度から考察したもので、読んだ人たちからは「普通に『了解』って使っていた」「内部の業務連絡ではいいが、外部とのやり取りではだめ」など、自身の経験に基づいた多くの意見が寄せられています。

「了解」は「軽い」

「了解」が失礼かどうかを考える前に、こうした議論はいつごろから始まったのでしょうか。
日本語の用法などを研究しているNHK放送文化研究所専任研究員の塩田雄大さんによると、「例えば『明鏡国語辞典』(大修館書店)の平成22年発行の第2版では、『了解』ということばについて『近年、目上の人の依頼などを承諾する意に使う向きもあるが、慣用になじまない』と記述されており、理由としては『ぶっきらぼうで、なじまない』とあります。しかし同じ辞典の平成14年発行の初版にこうした記述はありません。このように複数の辞典を見比べると、『了解は目上に使ってはいけない』という明示は、10年ほど前から台頭してきたらしいことがうかがえる」ということです。
「語感としては、『了解』には、『了解!』という感動詞的な用法もあることから、『承知』に比べるとやや軽いといえます。より軽い用法では『了解でーす』、あるいは最近メールやSNSでは『りょ』と記すこともあるようです。こうした守備範囲の広さが、『了解は目上に使ってはいけない』という考えにつながっているのではないでしょうか」(塩田雄大さん)。

理由は「無難」だから?

では肝心の、実際のビジネスの場などで「了解しました」と使ってよいのかどうか。
企業のビジネスマナー研修などを手がけている東京都内の「ジェイック」によりますと、特に若い社員の間で「了解しました」と返事をする人が増えているそうです。
この会社では以前から「目上の人からの依頼などに答えるときは『承知しました』または『かしこまりました』を使うように」と研修などで指導しているということで、理由としては「『了解』ということばには相手が言っていることを認めて『あげる』という意味が含まれるので、特にビジネスの現場では『了解』は避けることが望ましい」ということです。
企業のマナー研修に講師を派遣している「日本サービスマナー協会」でも、「『承知しました』『かしこまりました』を使うよう指導しています。ビジネスの現場では、上司や先輩が『当たり前だ』と思っている習慣に合わせることが大切です」とのことでした。
日本語の用法としては諸説あるようですが、目上の人に従うほうがいわば「無難」という考えが、さらに「了解しました」の分を悪くしている、とも言えそうです。

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