■ 登山家・栗城さんが室蘭で講演、「夢諦めず挑戦を」
【2014年2月10日(月)朝刊】


 カンボジアで教育支援を行っている室蘭のNPO法人・はちどりプロジェクト(宮手恵代表)主催、室蘭民報社など後援の講演会が9日、室蘭市幸町の市文化センターで開かれた。エベレストの単独、無酸素登頂に挑戦している登山家の栗城史多さん(31)=今金町出身=が夢を持ち、実現するために行動する大切さを訴えた。

 会場には約600人が詰め掛けた。演題は「NO LIMIT 限界という壁を越えて」。学生時代、山岳部に所属していた栗城さんは「どこかで登頂を諦めていた自分」に気付き、山に挑むようになったと語った。

 大学3年時、初遠征となったマッキンリーに単独で挑んだ際、友人など周囲の応援が得られず「『どうせ無理だろう』という言葉も聞こえて苦しかった」と語った。そして、16日間の苦闘の末、頂上が目前に迫り、「夢がかなうと分かった瞬間が一番感動した」と笑顔を見せた。

 数々の世界の高峰に挑戦し続けられたのは、マッキンリー登頂のための渡航前、周囲の反対がある中で、父親から「お前を信じているからな、と言ってもらえたから」と述懐。全国の講演活動で、大人が子どもの夢を軽視する場面をよく見かけることを挙げ「夢は木で例えれば根っこ。大人が諦めろと言うと成長がストップしてしまう」と警鐘を鳴らした。

 2012年(平成24年)の単独、無酸素のエベレスト登山では凍傷により指が壊死し、現在は再生治療中。「失敗したといわれるが、諦めたときが本当の失敗。一度も諦めようと思ったことはない」と力強く語り、「来年はぜひエベレストに向かいたい」と闘志を見せていた。

 宮手代表のカンボジアでの活動の講演や栗城さんとの対談もあり、聴衆は夢を追い続ける姿勢を学んでいた。
(吉本大樹)




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