中国人観光客を冷遇する韓国

中国人観光客を冷遇する韓国

 中国人観光客は韓国の観光産業にとって最大のお得意様に浮上したが、実際に韓国を訪れた中国人観光客の多くが韓国旅行中に不快な思いをしているとの調査結果がまとまった。

 本紙が昨年末、ソウル市の繁華街、明洞、東大門、江南で中国人観光客100人を対象にアンケート調査を実施したところ、回答者の25%が「韓国に実際に来てみて、イメージが悪化した」と答えた。特に旅行中に「韓国人から見下されたと感じたか、実際に見下された」との回答が37%に達した。一方、「他国に旅行して見下されたことがある」との回答は10%にとどまった。世界各地を旅行する中国人観光客が韓国にだけマイナスイメージを持っていることになる。

 中国人観光客が韓国にとってどれだけ上客かは、さまざまな面から実感できる。昨年中国から韓国を訪れた旅行者は392万人で、外国人旅行者全体の3分の1を占めた。また、中国人観光客1人当たりの消費は2012年現在で2153.70ドル(約22万5000円)で、外国人観光客全体の平均1529.50ドル(約16万円)を40%上回る。1人1日当たりの支出も378ドル(約3万9000円)で、外国人観光客の中ではトップだ。

 韓国経済にもたらす波及効果も大きい。韓国文化観光研究院が今年3月に発表した報告書によると、昨年韓国を訪れた外国人観光客の付加価値誘発効果は12兆8900億ウォン(約1兆2700億円)、所得誘発効果は5兆2600億ウォン(約5200億円)に上ることが分かった。

 中国人旅行者が全体に占める割合(36.7%)で単純計算しても、中国人による付加価値誘発効果は4兆7300億ウォン(約4600億円)、所得誘発効果は1兆9300億ウォン(約1900億円)に上る計算だ。合計すると7億ウォン近い経済効果を生んでいることになる。

 それにもかかわらず、中国人観光客は本紙の調査で、言葉遣い(12人)、表情(11人)、身振り(8人)などで見下されたと感じていたことが分かった。

 「韓国に初めて来たが、もう来ることはないと思う」

 明洞で取材に応じた中国人女性観光客の羅さん(20)は、地下鉄での経験をこう話す。

 「旅行2日目に地下鉄で友人と中国語で話をしていたら、おばさんに足でこつこつ蹴られ、隣の車両に行けと手で合図された。軽蔑の視線を感じた」

 羅さんは「東大門市場で服を買うときにも、歓迎されているのはカネだけだと感じた」と語った。

金載坤(キム・ジェゴン)記者
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