ユーザ移行支援 (UMA) は、コマンド ファイルと呼ばれる XML ファイルに、移行するプロファイルの内容に関する情報を格納します。プロファイルをキャプチャするときに格納するオプションを指定する場合は、コマンド ファイルを編集します。
オペレーティング システム展開ツールでプロファイル キャプチャ スクリプトを作成すると、最も簡単に新しいコマンド ファイルを作成できます。ここで作成するコマンド ファイルには、デスクトップ、アプリケーション、およびネットワーク設定の変更内容と、既定の設定がリスト表示されます。
コマンド ファイルの各種設定をさらにカスタマイズする場合には、必要な設定を含めた新しい XML ファイルを作成できます。サンプル コマンド ファイル (sample_command_file.xml) は、コア サーバの <コア サーバ>\ldlogon\uma\commandxml フォルダにあります。このサンプル ファイルをコピーして、別のプロファイル移行タスクのカスタム ファイルを作成できます。
次の項では、XML ドキュメントを編集してコマンド ファイルをカスタマイズする場合のヘルプについて説明します。
メモ: コア サーバからコマンド ファイルを削除すると、そのコマンド ファイルを参照する移行スクリプトは正常に実行されません。コマンド ファイルを参照するスクリプトも削除するか、他のコマンド ファイルを参照するようにスクリプトを編集する必要があります。
スクリプト プロファイル移行では、All Users アカウントと Default User アカウントを除き、ソース デバイスで検出されたすべてのローカルおよびドメイン ユーザ アカウントが、既定でキャプチャされます。
キャプチャされたすべてのユーザ アカウントが、ターゲット デバイスに復元されます。ターゲット デバイスに存在しないユーザ アカウントは、新しいローカル ユーザ アカウントと移行されたその設定として作成されます。ユーザ アカウントを復元する前に、これらの新しいローカル ユーザ アカウントに既定のパスワードを入力できます。ターゲット デバイス上に重複するユーザ アカウントがある場合は、キャプチャされた (ソース) ユーザ アカウントの設定が既存のユーザ アカウントに移行されますが、ユーザの現在のパスワードが保存されるため、ログインにはそのパスワードを使用する必要があります。
UMA コマンド ファイルの <IncUsers>
セクションに移行するユーザ名を記述します。$(all)
変数を使用してすべてのユーザを含めるか、個々のユーザ名を <UserName></UserName>
タグで括って指定できます。コード サンプルは次のとおりです。
<IncUsers>
<UserName>$(all)</UserName>
</IncUsers>
UMA コマンド ファイルの <ExcUsers>
セクションに移行から除外するユーザ名を記述します。個々のユーザ名を <UserName></UserName>
タグで括って指定します。コード サンプルは次のとおりです。
<ExcUsers>
<UserName>ASPNET</UserName>
</ExcUsers>
デバイスのデスクトップ上でカスタマイズして最適化された多くの設定も移行できます。これらの設定は、コマンド ファイルの <Desktop>
セクションで定義します。項目を移行する場合は、タグ内に true
を指定します (たとえば、<colors>true</colors>
と指定すると、色設定をキャプチャします)。項目を移行しない場合は、タグ内に false
と指定します。次の設定を選択できます。
デスクトップ設定には次の制限事項があります。
デスクトップ設定のコード サンプルは次のとおりです。
<Desktop>
<desktop_settings>true</desktop_settings>
<accessibility>true</accessibility>
<active_desktop>true</active_desktop>
<colors>true</colors>
<desktop_icons>true</desktop_icons>
<display>false</display>
<icon_metrics>false</icon_metrics>
<keyboard>true</keyboard>
<mouse>true</mouse>
<pattern>false</pattern>
<screen_saver>true</screen_saver>
<sendto_menu>false</sendto_menu>
<shell>false</shell>
<sound>true</sound>
<start_menu>false</start_menu>
<taskbar>false</taskbar>
<time_zone>true</time_zone>
<wallpaper>true</wallpaper>
<window_metrics>false</window_metrics>
</Desktop>
アプリケーションの永続設定および関連ファイルはデバイスのプロファイルの一部として移行できます。プロファイル移行時に、アプリケーション プログラムそのものは移行されません。ただし、OS イメージ導入の一部にすることができます。
個々のアプリケーションの移行設定は、コマンド ファイルの <Applications>
セクションで指定されます。$(all)
変数を指定して、すべてのアプリケーション設定を移行できます。
UMA はユーザの設定とカスタマイズされた内容をキャプチャできます。Lotus Notes および Microsoft Outlook では、設定にアドレス帳やローカルに保存された電子メールが含まれる場合があります。Internet Explorer および Netscape Navigator では、カスタマイズ内容にブックマーク、cookies、およびプリファレンスが含まれる場合があります。
アプリケーション設定のコード サンプルは次のとおりです。
<Applications>
<Application>$(all)</Application>
</Applications>
<Inclusions>
<IncDescription>
<Description>%Personal Directory%\ /s</Description>
<DateCompare>
<Operand />
<Date />
</DateCompare>
<SizeCompare>
<Operand />
<Size />
</SizeCompare>
<Dest />
<Operation />
</IncDescription>
</Inclusions>
<Exclusions>
<ExcDescription>
<Description>%Personal Directory%\*.vol /s</Description>
<DateCompare>
<Operand />
<Date />
</DateCompare>
<SizeCompare>
<Operand />
<Size />
</SizeCompare>
</ExcDescription>
</Exclusions>
移行するプリンタ設定は、コマンド ファイルの <Printers> セクションで指定されます。<Printer></Printer> タブ内にプリンタ名を記述すると、個々のプリンタ設定を指定できます。$(all) 変数を使用すると、すべての設定を移行できます。
メモ: 使用しているオペレーティング システムにプリンタ定義が組み込まれているプリンタの設定のみを移行できます。
仮想プリンタ設定 (XPS プリンタの設定など) は、移行元コンピュータから移行先コンピュータに移行できません。
プリンタ設定のコード サンプルは次のとおりです。
<Printers>
<Printer>$(all)</Printer>
</Printers>
ネットワーク接続と構成、コンピュータ ID、およびマッピングされたドライブの設定を移行できます。これらの設定は、コマンド ファイルの <Network>
セクションで定義します。項目を移行する場合は、タグ内に true
を指定します (たとえば、<computer_name>true</computer_name>
と指定すると、コンピュータ名をキャプチャします)。項目を移行しない場合は、タグ内に false
と指定します。次の設定を選択できます。
TCP/IP 設定
- IP/サブネット/ゲートウェイ
- DNS 設定
- WINS 設定
ネットワーク ID
- コンピュータ名
- コンピュータの説明
- ドメイン/ワークグループ名
その他
- 共有フォルダ/ドライブ
- マッピングされたドライブ
- ダイヤルアップ ネットワーク
- Microsoft ネットワーク
- ODBC データ ソース
ネットワーク設定には次の制限事項があります。
ネットワーク設定のコード サンプルは次のとおりです。
<Network>
<ip_subnet_gateway_configuration>false</ip_subnet_gateway_configuration>
<dns_configuration>false</dns_configuration>
<wins_configuration>false</wins_configuration>
<computer_name>false</computer_name>
<computer_description>false</computer_description>
<domain_workgroup>false</domain_workgroup>
<shared_folders_drives>true</shared_folders_drives>
<mapped_drives>true</mapped_drives>
<dialup_networking>true</dialup_networking>
<microsoft_networking>false</microsoft_networking>
<odbc_datasources>false</odbc_datasources>
</Network>
ディレクトリの場所とファイル名で指定された個々のファイルや複数のファイルを移行できます。ファイルとフォルダ設定は、コマンド ファイルの <FilesAndFolders>
セクションで有効にします。ドキュメントの <Inclusions>
セクションと <Exclusions>
セクションで個々のフォルダとファイルを定義して、移行するファイルと移行しないファイルを指定できます。
移行するファイルを入力します。[ファイルとフォルダ] ページには、移行元コンピュータのファイルが場所でソートされ、リスト表示されます。その場所のすべてのファイルを選択するか、ツリーを展開して個々のファイルを選択できます。
選択したファイルを配置する移行先コンピュータの場所を検討します。移行元コンピュータと移行先コンピュータのハード ディスクが異なる方法で構成されている場合は、ファイルとディレクトリの配置先として別の場所を選択する必要があります。
メモ: ファイルの場所の変更は慎重に行ってください。バッチ ファイルと構成ファイルには、完全修飾パス名が含まれている場合があります。ファイルとディレクトリの場所をバッチ ファイルと構成ファイルが参照している場所に変更すると、プログラムまたはタスクが正常に実行されません。
ファイルとフォルダ設定のコード サンプルは次のとおりです。
<FilesAndFolders>
<run>true</run>
</FilesAndFolders>
<ArchiveFile>
<filename></filename>
</ArchiveFile>
<Inclusions>
<IncDescription>
<Description>%Personal Directory% /s</Description>
<DateCompare>
<Operand></Operand>
<Date></Date>
</DateCompare>
<SizeCompare>
<Operand></Operand>
<Size></Size>
</SizeCompare>
<Dest></Dest>
<Operation></Operation>
</IncDescription>
</Inclusions>
<Exclusions>
<ExcDescription>
<Description>%Personal Directory%\*.vol /s</Description>
<DateCompare>
<Operand></Operand>
<Date></Date>
</DateCompare>
<SizeCompare>
<Operand></Operand>
<Size></Size>
</SizeCompare>
</ExcDescription>
</Exclusions>