(cache) 中村俊一の教育BLOG

2013/9/1

「中村俊一の教育BOX」第１２シーズン再開決定

只今、インドネシアのスラバヤにいます。立志館ゼミナールの子会社、PT RISSHIKANの代表で、単身赴任中です。それでも、「中村俊一の教育BOX」（第１２シーズン）を再開することになりました。うれしいですね。毎月帰国します！

ラジオ大阪（ＯＢＣ）１３１４kHz　
２０１３年１０月１日（日）毎週火曜日午後５：４５～放送再開！

今回は、毎月インドネシアのご報告もいたします。スラバヤの生の状況が知れますのでお楽しみに。今回もゲストは著名な方々にお越しいただきます。びっくりするような超大物ゲストにもお越しいただく予定です。

半年６カ月２クールだけの放送ですが、それも１２年も続くと老舗番組になりました。今年３月の放送終了時点で、いつ放送再開するのかとの声がラジオ大阪さんに届いたそうで、それは感激しました。

今年の１１月で５３歳、すっかり初老を迎えましたが心は若いです。まだまだ、２０～３０年は現役で、新たなことにチャレンジしていきます。ストレスをエネルギーに変えて頑張ります。

最近、ホオポノポノのクリーニングを頻繁にするようになって、すべてが空にリッセトされると、問題が問題でなくなるような気がしています。オカルトと間違われるとかないませんので、今まであまり言いませんでしたが、禅（仏教）の空と相通じるところがあります。

一度、ホオポノポノで検索してみてください。宗教ではありませんね。教祖がいて教団があって、信者を縛り付ける、お布施を強要する、ということがありません。悟りは、どこまでも個人の問題であって、集団に所属することが大切ではないのではと思っています。

徒党を組みだすと、そこに力関係ができて、己事究明とは無縁になっていく場合があります。ましてや、脱退させないなんてのは変ですね。去る者は追わず、来るものは拒まずが、本物の宗教者だと思います。そういう方は世俗のことはあまり問題にならないのでしょうね。

長岡禅塾の半頭大雅老大師に、「悟りとは自覚するものだ、君が呵々大笑したときに分かるさ」。当時は教えてくれないのかと思いましたが、それが本当だからどうしようもありません。お前を救ってやると言われなくて本当によかったと思います。

本当に救われた人っているのでしょうかね？そもそも救いとはなんでしょうか？考えれば考えるほどこんがらがるでしょう。それが人間の迷いなんですね。さてどうするか。半頭大雅老大師の最初の言葉に戻るのでしょう。自分次第なんですね。

デジタルエコノミー

2013/3/19

「笑顔の研究」（「中村俊一の教育ＢＯＸ」放送内容）

２０１３年３月１９日（火）「中村俊一の教育ＢＯＸ」の放送内容です。ただし、放送内容そのままではありません。

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今夜は、笑顔について、脳科学から考えます。笑顔の研究です。「笑う門には福来る」と言いますから、笑顔はとても大切です。

先月、アシスタントの湯谷さんはご結婚されました。ご結婚おめでとうございます。そのときの湯谷さんは満面の笑顔で、旦那さんは、涙でぐしゃぐしゃでしたね。とても素敵な結婚式でした。お幸せに！

さて今回も、私が大好きな脳科学者池谷裕二さんの『脳には妙なクセがある』（扶桑社）を参考にしてお話しします。ところで、人間だけが、笑顔になって声を出して笑うことができますね。笑顔の人を見ると悪い気がしませんし、やはり笑顔の人には好意を持ちますよね。

まわりが爆笑していたら、ついつい同じように笑ってしまいます。どうやら、笑いは伝わっていくようですね。たとえば、赤ちゃんに微笑みかければ、必ず笑顔で返してきます。

そもそも、人間の前頭葉には、ミラーニューロンと呼ばれる神経細胞があります。ちょうど、おでこ裏の上あたりにある神経細胞です。これは共感する神経細胞と呼ばれます。人がすっぱいものを食べていたら、こちらもすっぱくなったりするでしょう。ミラーは鏡ですから、鏡のような神経細胞ということで、無意識のうちに、相手を真似しているんですね。

だから、赤ちゃんは、自然に笑顔を真似てにっこり笑ってくれるんです。そして、赤ちゃんが笑顔を真似するということは、実はとても大切な働きがあるようなのです。

ドイツのオット・フォン・ゲーリケ・マグデブルグ大学のミュンテ博士の実験によると、笑顔をわざと作るだけで、快楽に関係する神経伝達物質であるドーパミンが出て、脳が活性化するそうなんです。つまり、わざとと笑顔を作ると、楽しくなるということです。だから、赤ちゃんは、大人の笑顔を真似て、笑顔を作って楽しくなるということを学んでいるとも言えますね。

ミュンテ博士は、他にも面白い実験をしています。例えば、お箸でもペンでも鉛筆でもいいですので、横にして歯でくわえてください。笑顔に似た表情になるでしょう。次に、お箸でもペンでも鉛筆でもいいので、その端っこを唇で挟んで縦に垂らしてください。しかめっ面のようになるでしょう。

それで、被験者に、どちらかの表情で、同じ漫画を読んでもらうのです。そうして、漫画の面白さに点数をつけてもらうと、同じ漫画でも、お箸を横にくわえて笑顔を作って読んだ方が、面白さの点数が高くなったんです。

また、ミュンテ博士の別の実験結果によると、「遊園地」「映画館」「葬式」「病院」…などの言葉から、楽しい言葉か悲しい言葉かを判断するとき、やはり、笑顔を作ると楽しい言葉だと判断する時間が短くなったそうです。つまり、笑顔は楽しいものを見出す能力を高めてくれるようなんです。

ほんまかいな？と思うでしょう。そういう疑い深い人のために、南カリフォルニア大学のニール博士の実験をご紹介しましょう。皆さんは、ボトックスってご存知ですか。

ボトックスとは、食中毒菌のボツリヌス菌を顔のしわができやすい部分に注射するのですね。ボツリヌス菌は強力な菌で、軽度な場合は、手足の麻痺ですみますが、重症になると呼吸困難で死亡することもあります。要するに、筋肉を弛緩させる、ゆるめて動けなくするんです。

そして、その菌の毒素を注射すると、顔の筋肉の動きが鈍って、しわができにくくなるのです。もちろん、顔に注射するのですから問題ないようになっています。

ニール博士は、総勢１２６人の参加者に、さまざまな表情の写真を見せます。そして、その表情から、「楽しい」や「悲しい」などの感情を読み取ってもらいました。それで、ボトックスをした人は、なんと、表情を読み取りにくいという結果が出ました。

顔の筋肉を動きにくくすると、しわは取れるけど、相手の感情を読み取りにくくなるということです。面白いですね。二―ル博士は、人間は「無意識のうちに相手の表情を真似しながら、相手の感情を読み取っている」と説明しています。

つまり、相手の笑顔を見て楽しいと感じるのは、相手の笑顔を無意識に真似て、楽しい気分に自分もなっているからなんですね。人間は相手の表情を真似ることを自動的に繰り返しながら、相手の感情を読み取っているようなんです。

ですから、赤ちゃんには、できるだけ、豊かな顔の表情で、とくに笑顔で、接してあげて欲しいですね。赤ちゃんは真似をしながら、コミュニケーションの基本である感情を読み取る力をつけているのですからね。

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今夜は、笑顔についてお話ししました。人間は、相手の表情を無意識に真似て、相手の感情を読み取っているということでした。ですから、笑顔になると、それを周りの人も真似て楽しい気分になる。笑いの輪が広がるのは、人間は真似をする動物であるからなんですね。

来週は第１１シーズンの最終回です。２クール（半年間）はあっという間です。しかし、よく１１年間も続いたものです。すべての皆さんに感謝いたします。

印鑑と判子の違い

2012/12/4

「経済成長期に入ったインドネシア」（「中村俊一の教育ＢＯＸ」放送内容）

２０１２年１２月４日（火）「中村俊一の教育ＢＯＸ」の放送内容です。放送そのままではありません。

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今夜も先週に続いて、インドネシアのお話をします。１０月にＪＥＴＲＯ（日本貿易振興機構）が主催したインドネシアサービス産業海外支援ミッションに参加して、インドネシアの首都ジャカルタに視察に行きましたが、その時に見聞した内容をお話します。

先週は、１０００以上の民族と７００以上の言語があるインドネシアは、あえて少数民族の覚えやすいマレー語を共通語にしている。あるいは、インドネシアの国章のガルーダという鳥はヒンズー教の神の鳥なのですが、イスラム教徒が約９割なのに、あえて２％もいないヒンズー教徒の神の鳥を国章にしている。そのようなお話をしましたね。つまり、多様な民族がいる中で統一をうまくするために、少数民族に寛容な方針を取っているのですね。

今週も、ＪＥＴＲＯのジャカルタ事務所長をされている富吉賢一さんから教えていただいたデータを参考にしてお話しします。

さて、２０１０年でインドネシアの富裕層は約２００万人いるとされていました。だいたい人口の１％なんですね。この富裕層は中国系インドネシア人、いわゆる華人が多いです。しかも、首都ジャカルタに集中しています。

ですから、ジャカルタだけの一人当たりのＧＤＰ（国民総生産）は１０，０００ドルを超えていて、ジャカルタだけなら先進国の仲間入りをしています。今回、巨大なショッピングモールにいくつか行きましたが、その進み具合にびっくりしましたね。日本もうかうかしてられませんよ。

まず、ショッピングモールからお話しします。ジャカルタのショッピングモールは７３か所、有名ブランドが入る高級モールや中級・低級モールとさまざまあります。

例えば、中級クラスのモールの一つに、クラパガディン・モールがあります。ここはフードコートが２０００席以上あって、インドネシアの人々の憩いの場になっています。

年間の来場者数が４０００万人。月３３０万人、すごい集客力でしょう。駐車場も巨大です。土日は押すな押すなでモールの中を歩くのも大変だと聞きました。

なぜかというと、インドネシアは日本のように電車やバスの交通手段が発達していないんです。もっぱら、車かバイクなんですね。それと公共施設も少ない。だから、車やバイクで出かけられて、ショッピングや食事ができるモールが市民の憩いの場所になっているんです。土日には毎週のようにイベントをしているそうです。

インドネシアではショッピングや外食が貴重な娯楽になっています。中所得層が増え、購買意欲が旺盛になって、これから消費がどんどん進んでいくのだなというように思いました。

それでは、ジャカルタ市民はそういうところで主に買い物をするかと言えば、そうではないようです。新鮮な食材や日用品は伝統市場のパサールですませるようですね。パサールは６２％のシェアのようです。

これに、外資系のカルフールやロッテマートのようなハイパーマーケット、地元のスーパーマーケット、この２つで２１％のシェアです。残りがミニマーケットやコンビニ、これが１７％のシェアとされています。

最近、外資によるコンビニの出店規制が強化されました。これは、コンビニが増えると屋台などが廃れて、インドネシア人の仕事が奪われるとの考えによるようです。屋台では１５０円ぐらいで食事ができますからいいですよ。

日本人が食べたら、お腹をこわさないか聞かれますが、現地の日本人の知り合いに聞くと全然大丈夫、しかもおいしいということでした。私はまだ行ったことがありませんが、次回は食べようと思います。

ところで、インドネシアでは最近日本食がブームなんですね。外食の店舗数でいちばん多いのはインドネシア料理、これはうまい！日本人の味覚にも合います。２位が中華料理、これもおいしい。次がアメリカ料理、これは食べませんでした。そして、４位が日本料理、これもけっこういけました。

インドネシア料理は調理油を多く使用します。日本食はそれに比べて、油が控えめで低カロリーなので女性に人気なのだそうです。しかも、日本食は自宅では料理できないので日本食の外食ブームなんですね。

今、日本からジャカルタへ、和食のお店を出店すればいいタイミングかもしれません。只今、日本のラーメンブームがやってきているそうですよ。豚骨ラーメンもあります。

実は、イスラム教徒は教義上豚肉を食べてはいけないのです。イスラム教徒が約９０％のインドネシアで、豚骨ラーメンなんて出して大丈夫か？と思いますよね。でも、寛容の国インドネシアですね。他の宗教の食生活は尊重されているんです。さすが多様性と寛容性を併せ持つ国、インドネシアですね。

ところで、インドネシアは日本食だけでなく、大の親日国家なんです。人柄も同じ農耕民族ですから、よく似ているところもありますよ。イギリスのＢＢＣの調査では、日本に対する好感度は７１％もあります。

日本ブランドへの信仰が高く、家電、生活用品、飲食店、衣類など日本製品への信頼感が高いですね。また、インドネシアの自動車のシェアは、なんと日本車が９４．７％でほとんどが日本車です。左車線で、右ハンドルというのも関係しているかもしれません。それに、バイクの日本車のシェアはもっとすごくて９９．７％です。

他の交通手段が発達していませんので、毎日早朝から夜まで道路は大渋滞ですが、周りは日本車だらけでしたから、なんだかうれしくなりましたね。日本の経済が落ち込む中、元気になりますよね。親日的な国と仲良くする方が、精神衛生上いいかもしれませんね。

さて、１９９８年のアジア通貨危機でどん底まで落ち込んだインドネシアは２０００年から安定期に入りました。特に、２００４年の大統領選挙で、国民の直接投票でユドヨノ大統領が民主的に選ばれ、２００９年にまた民主的にユドヨノ大統領が再選されました。２度も民主的選挙が混乱なくできたことで、世界的にも民主国家として認められるようになりました。

２００９年リーマンショックの時も、拡大する内需のために影響をそれほど受けず、政治の安定にともなって、２０１１年から日本からも第３次進出ラッシュが続いています。

女性の社会進出が目立ち、高い地位にも多くの女性がついています。また、民主主義が浸透して、言論の自由が確立されていて政権の批判などしても、まったく問題ありません。

ただし、法律がよく変更されるので、その対応が大変のようですが、このまま政治の安定がつづけば、インドネシアが発展するのは間違いないのではないでしょうか。

今夜も、経済の成長期に入ったインドネシアのお話をしました。インドネシアは大の親日国家です。日本へのあこがれも強いですね。日本車シェアが９４％、日本製バイクのシェアが９９％です。親日国家インドネシアと日本とのパイプは、今後、ますます強くなるのではないでしょうか。

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来週は、大阪府立三国丘高等学校校長の田中滿公子先生にお越しいただいて、田中先生の著書『はじめて教師になったあなたへ（子どもたちと心の絆を結ぶ７つの原則）』（南の風社）についてお話しいただきます。

教師も心理学を学んで、子どもの心に寄り添う必要があることなどをお話しいただきます。お楽しみに！

2012/11/27

「多様で寛容な社会をめざすインドネシア」（「中村俊一の教育ＢＯＸ」放送内容）

２０１２年１１月２７日（火）「中村俊一の教育ＢＯＸ」の放送内容です。ただし、放送内容そのままではありません。

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今夜は、１０月にＪＥＴＲＯ（日本貿易振興機構）が主催したインドネシアサービス産業海外支援ミッションに参加して、インドネシアの首都ジャカルタに視察に行きました。その時のお話を、何回かに分けてしようと思います。

ＡＳＥＡＮ諸国の中でも、インドネシアはベトナムなどと並んで、経済成長気に入り注目されています。

ＪＥＴＲＯのジャカルタ事務所長をされている富吉賢一さんから教えていただいたデータを参考にしてお話しします。

インドネシアは、オーストラリアの左上、赤道あたりに東西に広く伸びた島国です。ところで、インドネシアには幾つぐらいの島があると思いますか。ちなみに日本には、６８５２の島があります。

正解は、１万３千以上と言われています。ほんとうは、まだ正確な数がわからなくて、１万８千以上あるとの説もあります。インドネシアの国土は約１９１万平方キロメートル、日本が約３８万平方キロメートルですから、日本の約５倍の大きさです。

そこにＡＳＥＡＮ諸国でいちばん多い人口、約２億４千万人、日本の２倍の人口がいます。おそらく将来は３億人を超えるのではないかと予想されています。東西の島の端から端の距離は、東京からシンガポールまでの距離があるんです。

インドネシアは多民族国家と言われています。インドネシアの島々に１０００以上の民族、そして、言語は７００以上と言われます。それで、よく一つの国にまとまっていますよね。

第２次世界大戦まではオランダの植民地として統一されていましたが、１９４５年にインドネシア共和国として独立したときに、オランダが統一したあとを、そっくりそのままを引き継いで建国した経緯があります。

７００以上の言語を話す多民族国家のインドネシアの共通語はどのように決めたのでしょうか。アルファベットを正式な文字として使用して、マレー語を国語にしています。

人口がいちばん多いのはジャワ島に住んでいるジャワ族で４１％ぐらいいるんです。彼らはジャワ語を話します。でも、インドネシアの統一言語はいちばん多く話されているジャワ語ではなく、少数民族語のマレー語にしたんですね。

なぜかというと、マレー語は覚えるのに、いちばん易しい言語なんです。あえて、易しい言葉を選ぶところは賢いなと思いますね。多様な民族を統一するために、あえて少数民族の覚えやすいマレー語を共通語にするなんて、よく考えていますね。

インドネシアは「多様性の中の統一」が国の目指すところです。多様性と寛容性を基本として、つまり、民族の多様性を認め合い、そして、お互いに寛容、つまり、許し合うことを国家理念として、それに基づいて国家の統一を目指しているのですね。

インドネシアの国旗は、上下を半分に折って、上が赤、下が白の国旗なんです。日本の国旗の日の丸と似ていて、親近感を覚えます。国旗以外に、国章があります。国を象徴する図や絵ですね。

ところで、みなさんは日本の国章はご存知ですか。

日本の国章は、慣例として皇室の家紋である十六八重表菊（じゅうろくやえおもてぎく）ですが、日本のパスポートの表にある紋章は十六一重表菊（じゅうろくひとえおもてぎく）ですね。要するに日本の国章は菊の紋章です。

ところで、インドネシアの国章はガルーダ・パンチャシラと言って、ヒンズー教にでてくる神の鳥であるガルーダが描かれているんです。インドネシアのガルーダ航空とは、ヒンズー教の神の鳥からきているですね。

そのガルーダを国章にしているところが、多様性の中の統一を目指すインドネシアをよく表しているのです。インドネシアでは、イスラム教徒が８８．６％、キリスト教徒が８．９％、ヒンズー教徒はたった１．７％、仏教徒はもっと少なくて０．６％しかいません。

ということは、国民の１．７％しかいないヒンズー教の神の鳥であるガルーダを国章にしているということですよね。言語と同じく、国章も少数派から選んで、多様性と寛容性を具体的に示しているんですね。これは素晴らしい発想だと思います。

ところで、インドネシアの一人当たりのＧＤＰ（国内総生産）は２０１０年にやっと３０００ドルを超えました。３０００ドルと言えば、１ドル８０円なら、２４万円ほどです。日本のＧＤＰの約７％でしかありません。ＡＳＥＡＮ諸国では第５位、世界では１０５位なんですね。

ＧＤＰが３０００ドル以下は貧困層と言われていますから、貧困からようやく脱出したばかりなんです。しかし、ＧＤＰが３０００ドルを超えたあたりから、どの国も急速に消費社会へと移行すると言われます。

つまり、貧困から脱したとたんに、物を購入する意欲が高まり、それが内需を押し上げるんですね。そうすると、インドネシアはこれからどんどん成長するということになります。

今のような政治の安定が続けば、確実に成長期に入るでしょう。まず、日本の高度経済成長期と同じく、人口ボーナスの時期が２０３０年まで続きます。１５歳～６４歳の現役労働者の数が、１４歳以下と６５歳以上の人口を足した数よりも２倍以上の時を人口ボーナス期と言いますが、その時期が当分続きます。

２００９年には富裕層が２００万人、中間層が８０００万人、貧困層が１億５０００万人だったのが、２０２０年の予想では、富裕層が１０００万人、中間層が１億９０００万人、貧困層が６０００万人となると予想されています。貧困層と中間層が逆転すると予想されているんですね。

２００９年には中間所得層が全人口の３４．５％だったのが、２０２０年には全人口の７３．１％に達するんです。この成長力に今世界が注目しています。

ということで、安い人件費を求めて工場建設を目指す日本の製造業ばかりでなく、将来有望なインドネシア市場へ日本のサービス産業も参入しようと注目しているのですね。来週も、インドネシアについてお話しします。

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先日、アシスタントの湯谷明子さんが、関西ラジオのイベントに参加していたときに、数人のリスナーの皆さんから、「中村俊一の教育ＢＯＸを聞いているよ」と声をかけられたそうです。

「情報内容が教育だけど、ちょうど良い長さで、いつも聴いています。あれ以上長ければ、聴かないかもしれないけれど、いい時間の長さですね。聴けないときは録音して聴いているよ！」とのことでした。

非常に嬉しいです。大変ありがたいことです。今後もよろしくお願いいたします。

2012/9/13

ラジオ大阪ＯＢＣ「中村俊一の教育ＢＯＸ」第１１シーズン再開

「中村俊一の教育ＢＯＸ」第１１シーズンが、ラジオ大阪ＯＢＣで、１０月２日より毎週火曜日の１７：４５～１８：００に放送再開されます。毎年２クール（１０月～３月）の放送です。

もう１１年目になるのですね。すっかり長寿番組です。いつの間にやら、私も５０歳代に突入しました。今シーズンも、面白い内容を提供できたらと考えております。

今シーズンも、新たなゲストにもお越しいただき、教育ばかりでなく、日本の将来についても様々な角度からお話しする予定です。

１１年の間に、戦後タブーとされていたことが、堂々と議論の俎上に乗ってきています。かなり放送をしやすい環境になってきたようにも思います。

日本の閉塞感、不安定な世界情勢、そんな中で日本や日本人の進むべき道は？特に教育のあるべき姿は？このような視点も時には折り込んで、お話できたらと考えています。

インターネットラジオでも聴くことができます。機会があればぜひ一度お聴きください。

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