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02 Jan 2014 08:37

社員インタビュー - Employee interview -

電車は通っていない。バスが1時間に3本だけという、なにもない田舎で生まれ育ちました。どこまでも田んぼが広がるその場所から、私をいろんな世界に連れ出してくれたのが小説や漫画やアニメ。小学校時代にのめりこんだのは、『フォーチュン・クエスト』シリーズや、『スレイヤーズ』シリーズなど。好きすぎてボロボロになるまで何度も読み返した本もあります。中学・高校になると漫画誌を毎月5誌購読、テレビゲームにも熱中していました。大学入学とともに上京し、心機一転、リア充となるためスキューバダイビングサークルに入るも、オタク心は静まる気配なし。サークル仲間と話をすれば、「ひとみは漫画の話をさせると急に目が輝くね」なんて言われていました。だから就職を考えたときも、まっさきに浮かんだのがコンテンツ業界でした。現在は、『電撃文庫』や『メディアワークス文庫』を中心としたエンタテインメントノベルの編集を担当しています。配属初日に上司から言われたのが「好きなことをやっていいよ。何でもできる部署だから」という言葉。驚いたけど、ホントでした。例えば新人作家さんの発掘。私たちの編集部では<電撃小説大賞>という公募企画を運営しており、毎年多数のご応募をいただいております。記念すべき第20回となる本年は、6,554作品の応募をいただきました。その中から入選を果たす作品は数限られてしまうのですが、入選する・しないに関わらず一人ひとりの編集者が独自に心惹かれた作家さんには、それぞれの判断でお声がけし作品づくりに勤しむことができるのです。先輩のアドバイスを受けながらではありますが、私も“編集者経験ほぼゼロ”という段階から、「この人は!」と思う作家さんとお仕事をご一緒させていただくことができました。

また、アスキー・メディアワークスBC(ブランドカンパニー)には、『電撃文庫』『メディアワークス文庫』『魔法のiらんど文庫』など多様な小説レーベルがあり、それぞれで読者層が異なります。レーベルごとに編集部もありますが、その垣根はあってないようなもの。『電撃文庫』の編集者が、『魔法のiらんど』から作品を出すこともできます。単独レーベルしか扱えないと作家さんとの作品づくりに制約が生まれてしまうこともありますが、ここでは中高生向け、大人向けなど、物語の世界観を自由に広げていけるのです。作品づくりに制約やルールがなく、ある意味なんでもあり! それだけに“妄想しがい”もあります(笑)。本、特にフィクションの物語は、「こうだったらいいな」「あんなことが起きたら楽しいな」という空想がつまっているもの。作家さんとの打ち合わせでも、「子どもの頃、こんな妄想をよくしてたんですよ」なんて話して、それをヒントに作家さんがさらに構想を広げてくれることも。だから、楽しい妄想を膨らませることが好きな人、得意な人は編集者に向いているかもしれません。今年、編集者になって8年目。“最初の読者”になれる幸せを噛みしめながら、魅力的な作家さんと妄想や空想を語り合い、そして心から面白いと思う作品と出会い続けることができています。


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