沖縄県八重山地区で他の2市町と異なる中学公民教科書を使う竹富町に対して、文部科学省が3月上旬にも地方自治法に基づく是正要求を出し、教科書の変更を求める方針を固めた。県教育委員会が文科省の指示に応じない場合の措置。実施されれば、国が市町村に直接、是正要求を出す初の事態になる。

 この問題では、文科省が昨年10月、県教委に対して竹富町への是正要求を指示したが、「教育現場に大きな問題は生じていない」などとして、県教委は応じていない。文科省は、県教委が今月12日の会議でも方針を変えない場合、新年度に「違法状態」が続きかねず、直接の措置が必要と判断した。

 竹富町と石垣、与那国両市町の八重山地区では2011年夏、教科書の採択地区協議会が「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版の採択を答申。しかし、竹富町は「手順がおかしく、答申に法的拘束力もない」と東京書籍版を独自に採択した。