日比首脳の中国めぐる発言、有益でない-米太平洋空軍司令官
2月10日(ブルームバーグ):米太平洋空軍のカーライル司令官(大将)は、日本とフィリピンの首脳が中国の地域での影響力拡大について、世界大戦前の欧州情勢に例える発言を行ったことは「有益ではない」と述べた。
同司令官は9日のシンガポールでのインタビューで、「ドイツの台頭および英独間をはじめとして欧州で起きたことについて、現在の情勢と類似点があるとは私は全く考えていない」と述べた。「いくつかの行為、特に日本が行った行為については、他国にとって何が挑発的なのかをしっかりと考える必要がある」と述べた。
カーライル司令官(58)は東シナ海や南シナ海で中国との問題に関わる全ての国に緊張緩和を呼び掛けた。中国が防空識別圏をフィリピンやベトナム、マレーシアと南シナ海での領有権を争う南部に拡大する動きは「非常に挑発的だ」と述べた。
安倍晋三首相はスイスを先月訪れた際、ドイツと英国に強い経済関係があったにもかかわらず第1次世界大戦に至ったと指摘した上で、日本と中国は同じような命運を回避する必要があると述べた。フィリピンのアキノ大統領は今月5日付の米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、南シナ海の領有権を守るフィリピンへの支持を各国に促し、現状を1938年のナチス・ドイツによるチェコスロバキア・スデーデン地方の併合要求に対し、欧米がチェコスロバキアを支援しなかったことに例えた。
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更新日時: 2014/02/10 09:29 JST