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小泉新党も 細川氏3位は通過点

 猪瀬直樹氏(67)の辞職に伴う東京都知事選の投開票が9日に行われた。

 細川護熙元首相(76)は、小泉純一郎元首相(72)との二人三脚で選挙を戦ったが、同じく脱原発を訴えた宇都宮健児氏(67)にも抜かれ、3位に終わった。今後の焦点は、細川氏を担ぎ出した小泉氏の動向だ。今回は、即原発ゼロのアピールを広げる足がかりにすぎない。信念は貫く「小泉流」で活動の継続を明言、安倍政権に宣戦布告した。来年の統一地方選や再来年に予想される衆参ダブル選を見据え、「原発ゼロ新党」の結集も視野にある、と見る向きは多い。

 小泉氏は、細川氏敗北を受けて自筆のコメントを発表。「残念な結果ですが、細川さんの奮闘に敬意を表します」とした上で、「これからも『原発ゼロ』の国造りを目指して、微力ですが努力を続けてまいります」と続けた。細川氏の出馬宣言には同席したが、この日は姿を見せなかった。

 都知事選を「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なしでは日本は発展できないと思うグループの争い」と位置づけ、原発ゼロを争点にした「劇場」にした小泉氏。細川氏が都政の諸課題に触れても、自分は原発ゼロ1本で支持を訴えた。国会議員引退後は封印してきた街頭演説に約5年ぶりに立ち、「新しい生きがいを見つけて、若返ってきた」と、選挙後も原発ゼロの活動を続けることを明言していた。

 序盤から細川氏への支持は広がらなかったが、小泉氏にとっての都知事選は、持論を広げる足がかりにすぎない。広げるためには、主張の「場」が必要だった。自民党総裁選も、3度目の挑戦で勝利した。小泉氏周辺は「負けても一定の成果があった」と、強気だ。

 小泉氏は近く、細川氏と、原発ゼロ社会を目指すシンクタンクを立ち上げる。「過去の人といわれても、若い世代につけを残さず、今よりいい国をつくることが年寄りの役目」と話す。来年の統一地方選、再来年に予定される衆参ダブル選をにらみ、原発ゼロを旗印にした新党の結集が視野にある、と見る向きは多い。

 小泉氏を長年取材する政治評論家の浅川博忠氏も「言い出したことは最後までやるのが、小泉氏のスタンス。最後のライフワークでもある原発ゼロをキーワードにした政界再編に期待があるはずだ」と指摘する。小泉氏の即原発ゼロ方針を「無責任」と言い放った安倍晋三首相や今の自民党に、強い不信感を持っている。「今後は、理想論だけでなく具体策を発信しないと国民には受け入れられないだろう」(浅川氏)。郵政選挙、都知事選に続く3度目の小泉劇場は、幕を開けるのか。【中山知子】

 [2014年2月10日8時50分 紙面から]

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