【ロシア・ソチ9日(日本時間10日)発】ソチ五輪ジャンプ男子のノーマルヒル決勝(ルスキエゴルキ競技場=HS106メートル、K点95メートル)で、日本は葛西紀明(41=土屋ホーム)の8位入賞が最高だった。7大会連続五輪出場の“レジェンド”は主将として日本選手団のメダル1号を狙ったが、力が入って順位を上げられず。しかも腰を痛めたというから、不安は募るばかりだ。
1本目はK点越えの101・5メートルを飛んで8位と表彰台を狙える位置につけたが、2本目は無風と条件に恵まれながらも「タイミングがかなり遅れましたね」と100メートルにとどまり、255・2点で逆転することはできなかった。
競技開始時点で、日本選手団にメダル獲得の情報はなし。主将として使命感にも燃えていた。「ここで一発取ってみんなに勢いをつけてやろうと思っていたんですけど、残念ですね」と葛西は唇をかんだ。
それでも、8位入賞で最低限の役割は果たした。ラージヒル(15日決勝)、ラージヒル団体戦(17日)とチャンスはあと2回ある。「今日は遠目にワン、ツー、スリーを見てすごい悔しいですね。次のラージではお返ししたい」と気持ちを切り替えた。
ところが、この日更新した自身のブログで衝撃の事実を明かした。腰を痛めたというのだ。
「昨日の練習よりは良いジャンプだったけど、やはり2本ともタイミング少し遅れちゃってる そして腰もやっちまったし」
その原因として、葛西は「ここのノーマルヒルは着地地点がなだらか過ぎてめちゃくちゃ着地しにくいし、衝撃が凄い。140m地点の傾斜か?ってくらいの衝撃」と説明し、「昨日の2本の練習で腰がちょいちょいやられてて、今日の1本目で一気にきてもうた」と明かした。
最後は「次のラージヒルまでは少し時間があるから、腰とテイクオフのタイミングとテレマークを完璧にしてメダルに挑みたいと思います! ブログを見て応援してくれてる方々に感謝!」と前向きな言葉とファンへの感謝で締めくくった葛西。腰が回復することを祈るばかりだ。