転ばないよう足元を踏みしめて歩く人々=8日午後、さいたま市浦和区のJR浦和駅前

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転ばないよう足元を踏みしめて歩く人々=8日午後、さいたま市浦和区のJR浦和駅前

 首都圏を襲った8日の大雪。

 埼玉県内では13年ぶりに全域で大雪警報が発令され、未明から絶え間なく風雪が吹きすさんだ。路面凍結などによる事故も相次ぎ、けがをした人は午後4時現在で43人に上った。9日朝は雪の量がさらに増すと予想されており、熊谷地方気象台は警戒を呼びかけている。

 同気象台によると、8日の県内の最大積雪は秩父で28センチ(午後5時現在)。最高気温はさいたまで2・6度と平年を大幅に下回る厳しい寒さとなった。さいたま市浦和区の県庁周辺では朝からスコップを手に雪かきをしたり、雪化粧をした別所沼公園をカメラで撮影したりする市民もいた。

 県内の鉄道各社では全線で運休や遅れが生じ、高速道路では通行止めやチェーン規制が設けられるなど、雪は県民の足も直撃。大宮駅にいた主婦(55)は「愛知県に帰省しようと思ったが、新幹線が遅れたり動かなくなったりするのは嫌なので、1日延期しようかな」と恨めしそうな表情を浮かべた。

 県消防防災課によると、車やバイクの事故による重軽傷者は少なくとも14人に上った。また、50〜80代の男女21人が歩行中に転倒してけがをした。

 さいたま市岩槻区の県営しらこばと水上公園では、プールサイドを掃除していた清掃作業員、鈴木富義さん(71)が水深約1・2メートルのプール内に転落し死亡。プールサイドには数センチの積雪があり、岩槻署は雪で足を滑らせた可能性もあるとみている。

 このほか、新座、戸田両市では雪下ろしをしていた60代の男性2人が転落して頭を打つなどした。越谷、狭山両市では計約1200軒で一時停電となった。

 9日は最大瞬間風速が南部で30メートル、北部で25メートルとなるなど激しい風雪が予想されるほか、同日午後6時までの降雪は多いところで20センチになる見込みで、同気象台はさらなる警戒を呼びかけている。