国際激流と日本

「失望」だけではない米国の靖国参拝への反応安倍首相批判の論調を元国務省高官が一刀両断

2014.01.15(水)  古森 義久

 「日本が再び軍国主義になっている? 真面目に事実を見てみよう。日本政府が最近、発表した中期防衛計画が洩れなく実行され、防衛費の5年連続増加がなされたとしても、日本の5年後の防衛予算は単に2002年の水準へと戻るだけなのだ。それはここ11年間も日本の防衛費は削減されてきたからである。安倍首相は好ましいことに、その流れを今年の予算で逆行させたのだ。

 だが安倍首相は日本を軍事的、挑発的な国家にしようとしているわけではない。歴史を修正しようとするわけでもない。安倍首相は、祖先を尊敬し、同時に過去の過ちを認め、反省を表明する正常な国家への方向へと、日本を動かしているだけなのだ。中国についてはそんな方向性を見出すことはできない。だからこそ、もう靖国参拝は放念し、アジアでの米国の真の利害について考えようではないか」

 こうしてメア氏は日本の首相の靖国神社参拝を米国側が問題にすることはもう止めようと総括するのである。今回の安倍首相の参拝に対するオバマ政権の「失望」とはまったく異なる米国の識者の見解なのだ。オバマ政権が米国のすべてではないということだ。

 何度も繰り返すが、この種の意見の存在は日本側にもっと広く知らされるべきである。だが現実には報道されない。となると、ここでも日本のメディアの靖国参拝に関する「歪曲報道」が存在するということになってしまう。

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