国際激流と日本

「失望」だけではない米国の靖国参拝への反応安倍首相批判の論調を元国務省高官が一刀両断

2014.01.15(水)  古森 義久

安倍晋三首相の靖国神社参拝に対する米国の反応を報告しよう。先週は中韓以外のアジアの反応を紹介したが、今回は米国での反応のうち、これまた日本の大手メディアが報じない部分に光を当てる。

 周知のようにオバマ政権はこの参拝に対し日本の米国大使館の声明として「失望」を表明した。

 様々な面で異例の声明だった。まず声明の発信者の名前も肩書きもない。駐日大使でも大使館報道官でもないのだ。その後、ワシントンの国務省報道官も大使館声明を繰り返す形で「失望」を表明した。

 何よりも異例だったのは、米国政府が日本の首相の靖国参拝について、大使館レベルにせよネガティブな公式声明を出すのはかつてなかった点である。

 ブッシュ前政権は当時の小泉純一郎首相が毎年靖国を参拝し、中韓両国が絶叫のように非難を浴びせ続けても、びくとも動かなかった。ブッシュ政権の高官たちは、むしろ日本が中国の威圧に屈しないことを望むとさえもらしていた。ところが今回は、大使館が本国の本省よりも先に、安倍首相の靖国参拝に対するコメントを出したのである。

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 さて朝日新聞など日本の大手メディアの多くは、米国の反応について、民間でも反対や非難の声が圧倒的だとして報道した。米側にも参拝を理解し黙認する人々がいることはすべて無視したと言えよう。

 米側の日本専門家やその他の学者、ジャーナリストなど…
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