青森県は31日、東北電力東通原発(東通村)の事故を想定した県地域防災計画(原子力編)の修正案を、県防災会議原子力部会に示し、了承を得た。国の原子力災害対策指針を踏まえ、緊急時の放射線測定(モニタリング)の手順や、安定ヨウ素剤の事前配布の仕方などを盛り込んだ。年度内にも開く県防災会議で正式決定する。
緊急時モニタリングについては、事故時に政府や関係自治体、電力事業者が参集する「緊急時モニタリングセンター」が現地に設置されることが決定済み。修正案には県が平時から国などと連携し、同センターの受け入れ態勢の整備に協力することや、国の指揮の下でモニタリングを実施することを明記した。
安定ヨウ素剤については、指針に基づき内容を具体化。県は原発から30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)の住民に対してヨウ素剤を準備、事故時は国の判断に基づき服用を指示する。また、5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)の住民については、医師が立ち会う説明会を開いた上で、事前配布することを記した。
県はヨウ素剤をむつ市と六ケ所、東通両村に備蓄する方針。部会では、PAZ外で事前配布の対象にならない横浜町の野坂充町長が「震災時はインフラが破壊される恐れがある。(ヨウ素剤を)町で管理できないか検討してほしい」と要望。県は「検討する」と応えた。
県医療薬務課によると、服用対象の住民分の安定ヨウ素剤約41万2000錠は備蓄済みだが、事前配布する時期のめどは立っていない。国や関係市町村と連携して準備を進めるという。