【チェンマイ(タイ)木村尚公】名古屋グランパスは9日、当地でタイ1部のバンコク・ユナイテッドFC(45分ハーフ)とタイ3部・ランプーンFC(前後半計55分)で練習試合を行った。主力組で臨んだバンコク戦は1−1で引き分け。故障で別メニュー調整が続いていたMFダニルソン(27)が新ポジションのセンターバックとしてぶっつけ本番で出場した。控え組のランプーン戦は6−0で勝った。
西野監督がまた一つ、新たなアイデアをグランパスに持ち込んだ。右足首痛で軽めの調整が続いていたダニルソンをいきなり実戦で復帰させたのも驚きだが、それ以上のサプライズはポジション。本来の守備的MFではなく、後半から3バックの一角でテストした。
西野監督は「彼には最終ラインもボランチも左サイドもあると言ってある」と説明。センターバックはDF闘莉王以外は経験が浅い若手ばかり。身体能力抜群のダニルソンなら守備を引き締めることができる。
故障明けでコンディションは不十分だったはずだが、ダニルソンはドリブル、パスに無難なプレーを見せた。闘莉王らとのラインコントロールに四苦八苦する場面もあったが、そこはセンターバック初心者。今後の学習で改善できる。
「監督を信頼しているよ。センターバックの難しさはあるけど、問題ない」とダニルソン。「闘莉王には高さと強さがある。オレは自分のスピードを生かせるようにしたい」。お互いの長所を生かし合う3バックを形成したいと語った。
ダニルソンは今季、背番号が「20」から「8」に変わった。「コロンビア代表での背番号が8番だった。ここに移籍してくるときから希望していたけど、マギヌンや藤本が付けていたから」。加入5年目で念願の番号を手に入れ、モチベーションは上がっている。
「足首? ダイジョウブ。これからはピッチの中で結果を出していく」。「DF」ダニルソンはグランパスにとって大きな選択肢となりそうだ。
この記事を印刷する