選挙:水俣市長選 候補者紹介 /熊本
毎日新聞 2014年02月04日 地方版
(届け出順)
任期満了に伴う水俣市長選(9日投開票)に立候補した新人の西田弘志氏(55)と元職の江口隆一氏(48)=ともに無所属=について、出馬の動機や人柄、主な政策などを紹介する。【笠井光俊】
◇環境と経済活性の両立を−−西田弘志 55 無新
昨秋、市出身のシンガー・ソングライター、故村下孝蔵さんの歌碑が市内の商店街「ふれあい一番街商店会通り」に設置され、通りの愛称も村下さんの代表曲に合わせて「初恋通り」と命名された。
「水俣市はどうしても水俣病のイメージが続いているが、新しい水俣のイメージを作り上げていきたい」。その際に商店会会長として奔走したのはそんな思いからだった。市長選でもその思いが各政策の基になっている。
今回、出馬を決めたのは1月中旬。既に出馬表明をしていた江口氏は、8年前の市長選で宮本勝彬現市長を担いで倒した相手だった。「江口市政の4年間は独善的だったし、ひたすら産廃処分場問題で振り回され、街づくりもままならなかった。その8年前に戻してはいけないと思い、決断した」と話す。
高校までハンドボールに打ち込んだ。今は山登りが趣味。「環境」を前面に出した宮本市政の継承と、雇用拡大など経済活性化との両立を訴えている。
◇政策決定はPT方式導入−−江口隆一 48 無元
最近、口をついて出るのは「反省しています」という言葉だ。
再選を期した8年前の市長選で宮本勝彬・現市長に敗れ、1期4年間で市長の座を追われた。当時40歳。「若かったというか、猪突(ちょとつ)猛進だったところがあり、また『強いリーダーシップで水俣市を変えたい』という思いから、市職員につらく当たったこともあった。落選して、周りの声を聞くことの大切さに気づいた」と振り返る。
政治の世界に入ったのは25歳。当時、全国最年少の県議誕生。尊敬するのは、故田中角栄元首相のバイタリティーと細川護熙元首相のセンス。県議3期目の途中で市長選に挑み、初当選した。朝は職員よりも早く市役所に行き、土日も仕事ばかりしていたという。
今回、「8年間の禊(みそぎ)」を経ての再出馬。反省の上に立ち、政策決定にはプロジェクトチーム(PT)方式を導入することを掲げる。重要課題ごとに市役所内外の人材を集めたPTをつくり、合意を得るという。