お麩のこと
お麩のこと
一部地域ではおなじみのお麩ですがあまり食べないという人も多いのでは?
実は、たんぱく質が豊富でローカロリーなお麩は、食生活が乱れている方やダイエット中の方 に最適です!お麩が誕生したのは中国。日本に入ってきたのは、室町時代という説と奈良時代 という説があります。最初は仏教と結びつき、肉食を禁じられていた修行僧たちの貴重なたん ぱく源として、精進料理で盛んに用いられていたが、その後一般の人にも広まりました。
昔、中国では小麦のことを「麺(めん)」と呼んでいて、グルテンは「麺(めん)の筋」で「麺筋(めんちん)」と呼ばれていました。
台湾では、今でも味付けしたグルテンを食材として不通に買うことができます。
お麩って……栄養あるの?
味がないからといって、栄養がないと思っていませんか?
ふわふわのお麩にはたくさんのメリットがあります! お麩の主な栄養素はたんぱく質。その他、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、 リン、鉄、亜鉛などのミネラルがギュッとつまっています。お麩は高齢者、幼児、病人の食事にもおすすめ。離乳食にも使われています。
肌や髪の毛、筋肉を作るたんぱく質は、健康を維持するうえで欠かせない栄養素です。しかし、 良質なたんぱく源であるお肉は脂肪も多い…そこで、お麩なら、ダイエット中でも心配せず食べられます。さらに、お麩は保水性にも優れていて、満腹感を得やすいので、ダイエット中に食事の量を減らせるメリットもあります。お麩すごい!
グルテンの健康効果
お麩の主原料、グルテンにも優れた効果があります。グルテンは、水の中で小麦粉をもみほぐ すうちに、でんぷんが洗い流され、最後に残るチューインガムのようなものです。サプリメントに使われるグルテンを加水分解させたグルテンペプチドは、痛みを和らげたり、血圧を下げる、胃液の分泌の抑 制、食後に血中インスリンを増加させるなどの作用があるといわれています。ただし、食品として摂取した場合の効果は、まだ未知数で、今後の検証が期待されています。
グルテンに含まれるグルタミン酸は、知能を高めたり、アルコール依存症を改善する、潰瘍の 治癒を早めるなどの作用がありますが、摂り過ぎると神経が高ぶって眠れなくなるなどの恐れもあります。なにごとももほどほどにですね。
お麸の種類は 90 種類以上!
小麦粉に水を加えてよく練り、熟成させ水洗いを繰り返しながら、でん粉を分離させることで、小麦粉からたんぱく質(いわゆるグルテン)だけを取り出します。これに小麦粉やもち粉を加えて加工すると、お麩ができあがります。大きく分けると、形を整え焼いたものが焼き麩、蒸したり茹でたりする生麩、油で揚げる揚げ麩の3種類があります。
しかし、全国各地には、その3種類だけでは当てはまらない独特の品種、形態の麩が90種類以上あるといわれています。
もち麸 | グルテンにもち粉を加えて作る生麩 |
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よもぎ麩 あわ麸 | もち麸によもぎやあわを加えた生麩 |
もみじ麩・うめ麸・さくら麸 | もみじ・うめ・さくらの形に作り着色した、季節を彩る生麩 |
てまり麩 | 糸状にした生麩を巻きつけて、てまりのようにした生麩 お祝い事の重詰や吸い物に使われています |
車麩 (新潟、石川 、沖縄) |
麩の生地を棒に巻きつけて何重にも重ねて焼いた焼き麩 越後地方では、行事の際の煮しめに使います |
板麩 (山形) |
直火で焼いて板状にした焼き麩 湿らせながら切ったものを、汁の実にしたり、魚のすり身を包んで蒸したり揚げたりします |
まつたけ麩 | マツタケの形に作り、傘の部分を着色してマツタケの香りをつけた焼き麩 吸い物、茶碗蒸しに使う |
あぶら麸 (宮城) |
油で揚げてあるのが特徴。 煮て卵とじや丼に、戻してきゅうりやワカメと酢のもの、炒めたり鍋の具に使う |
すだれ麸 (石川) |
すだれに巻きこんでつくる麸。 金沢の郷土料理「治部煮」やすき焼き、酢の物などに使う |
丁子(ちょうじ)麩 (滋賀・京都) |
一粒づつ生地を整形し焼き上げた長方形の焼き麩 荷崩れしにくく煮炊き物に適しています |
安平(あんぺい)麩 (山口) |
丸餅のように大きくふっくら作り焼いた焼き麩 |