この世界には、魔法が存在する。
そして「魔法使い」が、われわれの日常にまじって暮らしているのだ。
かれらは当たり前の隣人の顔をしている。仕事を持ち、食事もすればTwitterでつぶやきもする。
ただかれらは、時にわれわれとは違うものを見て、違う夜へと出かけることがある――。
◎ ◎ ◎
平凡な人間にこの扉は開けられない。つまりキミは魔法使いの資格を持つ者だ。
魔力が濃いな。これなら伝説存在が実体化していてもおかしくはない。
ピロートーカーの予言の夢は絶対。つまりあの男は明日死ぬ。
基本のレシピを5つ教えるわ。それであなたの呪文を組み立ててごらんなさい。
闇に心を明け渡した魔法使いはブギーマンに堕ちてしまう。そんな同胞を何人も見送りました。
それは魔法文明の血脈を継ぐもの。わずかだが、現代にも生き延びているのだ。
感染体程度ならおまえでもやりあえる。だがナイトゴーントは無理だ。死ぬぞ。
まずいわ、わずいわ、めっちゃまずい!。あいつの呪文構成は私のと相性最悪!!
当該地域に迷宮現象を確認。ギルド基準B級以上のアーティファクトは使用できません。
グレートナイトメアが観測されたァ? そいじゃ戦争の支度といきますかねェ。
その程度の結界密度! あたしの術式精度が上なんだよぉぉお!!
異なる夜の侵食率は年々増加傾向にあります。いわゆる「世界の危機」ってヤツです。
この東京だけでも数十のトライブがある。一匹狼はつらいぜ。仲間をつくれよ。
滅びを回避するため、すべての魔法は黒き歴史に封印されたのじゃよ……
唸れ! 俺の超常兵器……!
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2014年、春。封印解除!
※このページの内容はLLPツクモガミネットとは一切関係ありません。
『メイガスソウル』とは何か
簡単に言えばシェアードワールド・プロジェクトである。
いくつかのお約束にさえ準じれば、誰でも『メイガスソウル』の世界観を共有して、創作することができる。pixivや小説家になろうといったCGMやソーシャルメディアなどで、『メイガスソウル』の世界観を素材とし、それぞれのアイデアとイマジネーションをふるっていただきたい。
それだけでもこのプロジェクトは十分になりたつが、加えて、『メイガスソウル』では、世界観を統一的に表現するための「ルール」を構築し、提供する予定である。これは「TRPG(テーブルトークRPG)のシステム」として表現される。
これにより、『メイガスソウル』の世界観を、ゲームとして体験することも可能だ。
また、このルールでは、「PBW(プレイバイウェブ)」として展開するためのガイドラインなどもサポートする。つまり、誰でも個人単位でPBWが運営できるようになる。あるいは、従来のPBWの運営者・クリエイターとプレイヤーの垣根がなくなったものと考えてもらってもよい。
シェアードワールド企画の楽しさのひとつは、友達同士で互いのキャラクターを描き合ったりすることだが、PBWという形をとることで、その楽しみ方も広がるはずだ。TRPGをアナログにプレイするためには物理的な時間や場所の制限があるが、PBWならネットを介して自分のペースで楽しむことができるだろう。
ただし、ルールを把握することは必須ではない。一義的には、『メイガスソウル』はシェアードワールドの企画であり、TRPGやPBWのシステム提供は、その裾野を広げるための方法に過ぎない。
魔法使いたちのいる、夜の都会
『メイガスソウル』の世界観は、「この現代社会に、実は魔法使いが存在したら?」というものだ。
世界には人知れず、魔法の力を持つ人々がおり、かれらは現在社会の一員として生活しながらも、一方で、独自のネットワークやコミュニティを築いてもいる。
世界は「異なる夜」と呼ばれる異界のパワーに侵略を受けており、その脅威に立ち向かえるのは魔法使いだけである。『メイガスソウル』のキャラクターは、そんな「現代に生きる魔法使い」となる。
かれらは魔法の力で、一人でも戦車に立ち向かえるし、高いビルから飛び降りても死にはしない。しかし同時にこの社会の一員でもあるから、多くは会社や学校に通っている。そしてiPodで流行りの音楽を聴きもするし、スマートフォンでTwitterに投稿したりもする。
だが、勤務時間外や放課後には、魔法使いたちが集まる店に立ち寄って情報交換をしたり、人目につかない場所で魔法の修行をしたりしている。魔法使いであることはほとんどの場合、秘密だ。
そして、「異なる夜」の影響が色濃くあらわれると、魔法使いたちはその手に頼もしい「超常兵器(オーパーツ)」を携え、集まってくる。現実世界を脅かす「異なる夜」の使者、危険なナイトワンズ(※モンスターの呼称)たちと戦うためである。
その戦いは、人里離れた山奥で行われていることもあるが、夜の都会の片隅、路地裏や、ビルの屋上で繰り広げられているかもしれない。
ファクターシステムが、
ロールプレイを加速させる
TRPGとしての『メイガスソウル』は、「ルールが数値化するものは最小限に。自由なキャラクターイメージをなるべく阻害しない」ことをコンセプトとしている。いわゆる能力値はたったの4つ。決めるのにダイスを振る必要もない。行為判定もごくシンプルな形をとる。
また、キャラクターには、いくつかの「ファクター」というものを設定できる。ファクターは「一定の字数内で表現できるもの」であればなんでもよく、容姿や性格、社会的地位や身につけている技能、所有するアイテムまでを幅広く表現する。
ファクターは、「プレイヤーが、その因果関係を説明できれば」、行為判定を有利にするものとして使用できる。たとえば「頬に傷があり、強面」というファクターを持つキャラクターは、凄みのある容姿だと考えられるので、「誰かを脅して言うことをきかせる」場面ではこのファクターを有利に働かせることができる。しかし、このファクターはゲームマスター(※TRPGやPBWの進行役のこと)によって「初対面の子どもの警戒心を解けるかどうか」という場面ではマイナスに影響するものと判定されるかもしれない。
いずれにせよファクターの利用によって、キャラクターはゲーム中で自然と「らしい」行動や扱いをしたり・されたりすることになる。
魔法はすべてカスタムメイド。
最強のレシピを考案せよ!
『メイガスソウル』では、いわゆる「クラス」や「ジョブ」といった概念はない。『メイガスソウル』の世界ではさまざまなスタイルの魔法使いたちがおり、それぞれユニークな魔法を使用するが、これら魔法についても、ルール上でリスト化されることはない。
『メイガスソウル』のシステムではすべての魔法はいくつかの「レシピ」と呼ばれる要素を組み合わせて「カスタムメイド」する。有利なレシピを重ねていけば強力な魔法が出来上がるが、そうすると「デッキコスト」と呼ばれる使用制限に関係する基準値が高くなるため、キャラクターのレベルが低いうちは使用できない魔法になってしまう。
そこで、「不利なレシピ」を組み合わせて「デッキコスト」を調節する必要がある。これにより「大ダメージを与えられるが命中率が低い魔法」や「広範囲に影響を及ぼすかわりに使用すると自身が反動を喰らう魔法」などが出来上がる。
魔法の名称や描写などは自由なので、プレイヤーは自分のキャラクターだけのオリジナルな魔法をつくって使用することになる。
少しコツと慣れがいるかもしれないので、ルールブック上ではすぐに使えるサンプル魔法のレシピも用意される予定だ。
『メイガスソウル』は、現在、鋭意開発中!
2014年2月以降、「クローズドβテスト」と称して、TRPGシステムのバランス調整などを行っていきたい。その後、夏頃までの正式オープンを目指す予定だ。
ついては、もし、このプロジェクトに興味を持ってもらえた方で、お心あらば、ご協力の手も賜れれば望外。
・クローズドβテストに参加(世界設定にもとづいてキャラクターをつくっていただき、システム調整のためのテストシナリオなどに参加していただく)
・サイトに掲載予定のサンプルキャラクター、クリーチャーのデザイン、サイト用のイラスト制作など
以上のようなご協力を頂戴できるようなら、企画主・中田誠司まで連絡されたい。
なお、最後に、『メイガスソウル』は、中田誠司が私的な楽しみのために行っているプロジェクトであって、「ツクモガミネットの次回作」にあたるものではない。また、『メイガスソウル』のコンテンツは原則、すべてが無償で提供される(将来的に、一部の成果物を販売することはあるかもしれない)。