打撃練習を終え、言葉を交わす打撃投手を務めた松井臨時コーチ(左)と阿部=宮崎県総合運動公園で (沢田将人撮影)
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巨人の松井秀喜臨時コーチ(39)がファンをやきもきさせた。8日、木の花ドームで阿部慎之助捕手(34)の打撃投手を務めた後、阿部からバットを受け取ってスイングを披露。阿部もお返しとばかりに打撃投手を務めるそぶりを見せたが、結局、松井コーチがボールを打つことはなかった。
居残り特打の直後だった。147球を投げ、マウンドを降りた松井コーチに阿部が近寄る。お礼を言ってガッチリと握手し「打ってください」と使っていたバットを手渡した。受け取った松井コーチはまず右打ちで約10回スイング。続いて本来の左打ちでもバットを振り始めた。その間に、阿部が入れ替わるようにマウンドに向かい、肩慣らしを始める。しかし、次の瞬間にはチーム関係者の掛け声で片付けが始まり、ファンの口から「あぁ…」「打たないのか…」とため息が漏れた。
松井コーチは前日の7日、今キャンプで初めて左打ちのスイングを解禁し、外野陣にノック。さらに打撃ケージに約15分こもり、秘密特訓と思われる動きも見せた。準備は徐々に進めているようなのだが…。粋な計らいが空振りに終わった阿部は「まだ練習してないからダメだって言われた」といたずらっぽく笑った。松井コーチは「お預けじゃなくて、このまま打たずに終わると思うよ。打つなんてひと言も言ってないし」とけむに巻いた。
果たしてXデーは好天が予想される日曜日の9日か、長嶋茂雄終身名誉監督(77)も視察する12日か。それとも本当に最後までお預けなのか。現役を引退してもなお、ゴジラのバットはファンの注目の的だ。 (小林孝一郎)
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