医者が語る「困った患者」とは?
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匿名を条件に6人の医師に「困った患者」の特徴を聞いたところ、「絶対に腸炎、などと病名を決めつけてくる」「診断に対して、この病状は○○病では? など聞きかじりの知識を振りかざす」といった態度が挙げられた。なかでも困るのは、「風邪と診断しても、空腹時の胃痛や疲労時の頭痛など、様々な症状を相談される」ことだとか。
『患者トラブルを解決する「技術」』の著者、尾内康彦氏によると、「テレビの健康番組で病気を取り上げると、その病気を疑って診察を受ける患者が増える」とのこと。また、ネットで調べて、症状から病気を推察して相談する人も増えているそうだ。しかし、「様々な症状について質問攻め」は、患者の気持ちとしては理解できるような気も。
「患者は一人だけではありません。ひとりにかける時間が延びると、診察できる人数は減ってしまいます。ほかの患者の待ち時間も長くなるし、極論をいえば、病院経営が成り立たなくなることも理解してほしいですね」
不安な患者心理からすれば、医師は親身に寄り添うのが当然、と思いがち。だが、症状が軽い患者に対しては、そうも言ってられない現実があるようだ。
「“困った患者”の増加は、消費者意識の肥大が原因のひとつ。特に、2001年の厚生労働省による“患者には様をつけるのが望ましい”という指針以降、患者は消費者で病院はサービスを提供する店、と意識する人が増えた気がします。ただ、医師も人間。わざわざ、医師を困らせるような態度で診察を受けるのは得策ではないと思いますよ」
症状が重い場合は仕方がないが、ちょっとした体調不良なら、医師の立場にも配慮できれば、円滑なコミュニケーションが取れるのかもしれない。
(笹林 司)
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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