都心も真っ白　２０年ぶり積雪２０センチ超

雪にかすむ東京スカイツリー。昼前から展望台の営業が中止された

　都心に大雪―。日本の南海上を急速に発達しながら北東に進む低気圧の影響で８日、西日本から東日本の広い範囲で雪が降り、東京都心で午後８時現在、２５センチの積雪を観測した。２０センチ以上の積雪は２０年ぶり。気象庁は、島しょ部を除く全域に大雪警報を発表した。東京２３区の警報は、２００１年以来、１３年ぶり。各地で車のスリップ事故や人の転倒によるけが人も相次ぎ、関東を中心に４００人以上がけがをした。

　都知事選投開票を９日に控えた都心に、１３年ぶりの大雪警報が出された。交通網が混乱。空の便では羽田発着便で欠航が相次ぎ、新幹線や在来線のダイヤが乱れた。

　国内線は、日航が正午以降に羽田を発着する全便など計３０４便を欠航した。全日空は午後３時以降の羽田発全便を欠航。計９万８０００人に影響が出た。

　ＪＲ各社によると、山陽新幹線は速度を落として運転。上下線の１４０本が最大で約２時間半遅れ、約７万７０００人に影響が出た。東海道新幹線も同様に一部区間で徐行運転し、１６１本が最大で約２時間遅れ、約１０万３０００人に影響した。また、８日未明以降、新東名高速道路の全線などが通行止めになった。

　週末にもかかわらず、銀座や浅草の買い物客はまばら。銀座のかばん店の女性従業員（３０）は「お客さんはほぼ皆無です」と苦笑い。浅草の仲見世通りで小物を扱う店の従業員（３０）は「週末は行き交うのも大変な人が来るけど、今日は３割ぐらい」と話した。

　事故も相次いだ。長野県安曇野市のＪＲ大糸線の踏切では昼すぎ、立ち往生したトラックに普通電車（２両編成）が衝突。はね飛ばされたトラックがぶつかって近くの電柱が倒れ、踏切の外に避難していたトラックの男性が下敷きになり、死亡した。安曇野署はトラックが雪のためスリップしたとみて調べている。

　さいたま市の県営しらこばと水上公園では、プールサイドの清掃作業をしていた作業員の男性（７１）がプールに転落し、病院に搬送されたが死亡した。岩槻署は雪で足を滑らせた可能性が高いとみている。

　入学試験の開始時間を遅らせる大学もあった。東京・目白の学習院大は４０分遅らせたが、東京都中野区の受験生・生田淳史さん（１８）は「勉強時間が増えると考えればいいこと。いつも通りやるだけ」と意気込んだ。

　気象庁は９日朝までに、多い所で５０センチの降雪量と予想している。

（2014年2月9日06時03分スポーツ報知）