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国際
【緯度経度】海外で慰安婦宣伝は愛国美談 ソウル・黒田勝弘
2014.2.8 10:00
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慰安婦問題は表面化してから約20年になるが、当初は必ずしもこんな意気揚々、得意げな雰囲気ではなかった。たとえば1993年8月、例の「河野談話」が出て日本の謝罪で韓国政府(金泳三政権)がこれを評価し、外交決着を“宣言”した際、韓国マスコミにはこんな社説が出ている(朝鮮日報8月5日付)。
「過去のために今日、明日のことが一歩も進まないという状況は現代的外交ではない。問題があれば並行して議論するという姿勢が必要だ。従軍慰安婦問題はその性格上からも愉快なことではない。日本政府の謝罪を契機に補償はわれわれが引き受け、この恥ずかしい過去の章をもう閉じてはどうか」
以前は慰安婦問題を自らの問題として「愉快ではない恥ずかしい過去」とする声があり、それが堂々と言えた。しかし今や海外にまで出かけて日本非難で高揚する愛国主義だけが蔓延(まんえん)するなか、こんな“恥”の発想が出る余地はない。
慰安婦問題はこの時、外交的には解決しているはずだ。次の金大中大統領も1998年10月、小渕恵三首相との日韓共同宣言で日本が過去を謝罪、反省したことを高く評価し「これで過去は清算された」と語っている。慰安婦問題も外交問題にしないとの方針を明らかにしている。これらは当時、日韓双方のマスコミで伝えられているが、韓国側はそれを無視し問題を蒸し返してきたのだ。日本の国民感情に疲労感が残るのは当然だろう。
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