【スノボ】角野「満足度１２０％」８位！また４年後、夢へ飛び続ける

男子スロープスタイル決勝２回目、ジャンプする角野友基（共同）

　◆ソチ冬季五輪第２日　▽スノーボード男子スロープスタイル決勝（８日、ロザ・フトル・エクストリーム・パーク）　男子スロープスタイルの決勝が行われ、午前中（日本時間午後）に行われた準決勝を４位で通過した角野友基（１７）＝日産Ｘ―ＴＲＡＩＬ＝は、７５・７５点で８位。新種目で入賞を果たしたが、メダルには手が届かなかった。準決勝では鮮やかな回転技で８４・７５点をマーク。決勝２本目で「バックサイドトリプルコーク１４４０」を披露したが、序盤のエアで手をつき、得点を伸ばせなかった。セージ・コッツェンバーグ（米国）が優勝し、今大会第１号の金メダルを獲得した。

　持てる限りの技をソチの難コースにぶつけた。抜けるような青空を背に、角野は「楽しかったっス！」と屈託のない笑顔を見せた。メダルには届かなかったが、新種目で健闘の８位入賞。「メダルは欲しいですよ」は本音だが「この舞台を経験し、この舞台に立って自分の滑りができたことの方が大きい。満足度？　１２０％です！」も偽らざる心境だ。

　決勝は１番手で滑走し、１回目は序盤にミスが出て５３・００点。他の選手も転倒や尻もちが多く、６位で終えた。２回目は最初のジブ（障害物）こそ成功したが、２本目のエアで手をつくミス。最後は世界屈指の大技「バックサイドトリプルコーク１４４０」を解禁した。体の回転軸をずらしながら、時計回りに横４回転し、縦３回転を加える世界屈指のスピン技。ズボンが下がり尻が見えそうになりながら着地を決め、観客の歓声を浴びた。ゴール後はヘルメットを投げて喜んだが、７５・７５点と伸びなかった。

決勝２回目を滑り終え、笑顔の角野（共同）

　失態を見返す決意の表れとして、準決勝の滑走前にはスタッフとともに一同で礼をする「お辞儀スタート」のパフォーマンスをした。「雑誌社とか新聞社の人たちが、スノーボードは遊びだのどうのこうのって、ちっとムカついたんで。じゃあ、スポーツマンシップにのっとって、お辞儀に始まりお辞儀で終わろう！という気持ちでやりました」。行儀良く見せて、実は反骨心を秘めていた。

　スノーボード男子では１０年バンクーバー大会ハーフパイプの国母和宏以来、２大会連続３人目の入賞。胸を張っていい。２人のフィジカルトレーナー、メンタルトレーナーら「チーム角野」の合計７人が私費でソチ入り。現地で見守った父・雅一さん（４３）は「笑顔が見えて、すごい良かった」と目を細めた。

　４年後、世界を驚かせるビッグエアを決める。「五輪までの道のり？　長かったような短かったような…。自分や日本という国をすごくアピールできるので、（五輪は）何回でも来たい。次（１８年・韓国平昌＝ピョンチャン）も目指したい」。初めての五輪を終え、１７歳の青年は少し大人になっていた。

　◆角野　友基（かどの・ゆうき）１９９６年５月１８日、兵庫・三木市生まれ。１７歳。東京・日出高２年。日産Ｘ―ＴＲＡＩＬ所属。８歳でスノーボードを始め、１２年に上京。通信制高校に在籍しながら海外の賞金大会などを転戦。１２年からＷ杯に参戦し、昨年３月の最終戦で初勝利。日本人で初めて年間種目別王者になった。好きなタレントはももいろクローバーＺ。１７３センチ、６４キロ。