月例経済報告:6年ぶり「回復している」
毎日新聞 2014年01月17日 10時54分(最終更新 01月17日 11時22分)
政府は17日、1月の月例経済報告を公表し、景気の基調判断を「緩やかに回復している」として、前月までの「緩やかに回復しつつある」から4カ月ぶりに上方修正した。「回復している」と明記するのは、リーマン・ショック前の2008年1月以来、6年ぶり。個人消費や企業の設備投資の好調さを考慮した。
甘利明経済再生担当相が同日の関係閣僚会議に提出した。全体的に景気回復の動きが広がり、経済の好循環の実現に向けてさらに前進がみられていると判断した。
個別項目では、個人消費が「持ち直している」から「増加している」に判断を引き上げた。消費税率の引き上げを4月に控えて、自動車など一部に駆け込み需要が出ている点を踏まえた。また、設備投資も「非製造業を中心に持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」として上方修正した。倒産件数は「緩やかに減少している」に引き上げた。
物価の持続的な下落を示す「デフレ」の表現を昨年12月に削除した物価の判断は「底堅く推移している」に据え置いた。先行きに関しては「家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待される」とした。今後は、経済の好循環を実現するうえで、賃上げの動きが広がるかや、消費増税後の景気の落ち込みをどう乗り越えるかが焦点になる。【田口雅士】