グローバル化がもたらすのはハッピーエンドだけではない。

 国際結婚のカップルが離婚をめぐってもめたら、どの国の裁判所で解決すべきか。

 今はその明確な規定がない。裁判所が個別に判断するしかなく、当事者を悩ませてきた。

 遅ればせながら、法務省が法制審議会に、この問題の法整備を諮問した。わかりやすいルール作りを急いでほしい。

 厚生労働省の調査によると、どちらかが外国人の離婚は国内で一昨年、1万6千件あった。20年前の倍以上で、全体の離婚の7%を占めている。

 国際離婚で、どの国に解決を求めるかは大事な問題だ。言葉や制度が違う外国で司法手続きを進めるのは負担が重い。

 原告が日本人でも、配偶者が外国にいれば、日本で調停や審判ができるとは限らない。受け身で応じざるをえない、被告への配慮も必要だからだ。

 今の日本の司法では、被告となる配偶者が住む国で扱うことを一応の原則にしている。ただし、被告の外国人配偶者が行方不明の場合などは、例外的に日本でも扱ってきた。

 過去には、配偶者の国の裁判で認められた離婚が日本の法では無効だとして、被告がいない日本で扱ったこともある。

 離婚の状況は千差万別だから、どこまで統一基準を決めるかは難しい作業だ。

 それは国際的にも長らく難問の一つとされてきた。離婚の許容度は、国や文化などにより異なることが多いからだ。

 日本のような協議離婚ではなく、離婚は裁判を経るのが原則という国は少なくない。離婚を原則認めない国もある。

 そうした状況を考えると、日本の事情だけで制度を描くのは得策ではない。幅広く世界を見渡す必要がある。

 近年、欧州連合(EU)の一部では、どの国で裁判すべきかをめぐるルール共有の試みが始まった。まずは夫婦がいま住んでいる国、次に夫婦が最近まで一緒に暮らした国などの順位をつけている。

 どんな規定が日本に合うかは議論を深めるほかない。将来的には一部の国とのルールの共有も視野に入れざるをえまい。

 大切なのは、できるだけ分かりやすく公平な基準を設けることで、当事者の負担を減らし、離婚後の再出発を円滑にしてあげることだろう。

 煩雑な問題ではあるが、これからの世界では、国境を越えた結婚と離婚が増え続ける。その現実の流れに、司法の取り組みが立ち遅れてはなるまい。