ブルペン入りし投げ込む阪神の呉昇桓=宜野座で(棚橋慶太撮影)
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阪神の新守護神候補、呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)=韓国サムスン=が宜野座キャンプ第2クール初日の7日、初めてブルペンに入った。「石直球」に加えて高速スライダー、スラーブ、習得中のツーシームを次々と披露した。
ついにベールを脱いだ「石仏」。「初めてのブルペンということで、きょうはバランスを意識して投げました。感触は良かったと思う。満足しています。試合でもブルペンでも、周りの視線を感じることはない」。日本のストライクゾーンを確認しながら、計61球。一切、表情を変えることなく18分間、淡々と投げ続けた。
周囲の視線をくぎ付けにしたのは、左足を着地させる寸前に生まれる独特の“間”だ。中西投手コーチは「打者からすればあそこでタイミングが取りづらくなるだろう」と分析。クイックモーションについても「MAXではないけど、タイムはまずまずだ」と及第点を与えた。
視察に訪れたセ・リーグ5球団のスコアラー陣も驚きを隠せない。巨人・森中スコアラーが「初めてだというのに、すごくいい球を投げていた。ボールに力があるし、コントロールもまとまっていた」と警戒を強めると、広島・井生スコアラーも「ボールの力としては球児ぐらいある」とかつての守護神・藤川球児にイメージを重ね合わせた。
新守護神が見せた期待通りの投球。斜め後方から見守った和田監督も一安心だ。「ほとんど構えたところに来ていた。制球で崩れることはなさそうだね。今までに見たことがないタイプだ」と目を細めた。 (杉原史恭)
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