五輪といえば、各国の国旗や配色など、お国柄が出るウエアにも注目が集まる。さて、今回は?

 ドイツの公式ウエアが昨年秋に発表された時、黄色、緑、オレンジなど彩り豊かで、「同性愛者のシンボルである虹色に見える」と話題になった。折しも、ロシアで反同性愛法が成立したことから、抗議の意思をこめたのではないかと臆測を呼んだ。しかし、担当したデザイナーは独紙に「1972年ミュンヘン五輪のウエアを意識したもので、同性愛とは無関係」と説明する。

 米国は星条旗をモチーフにした。製作したラルフローレン社は「メード・イン・USA」を徹底し、原材料も含めて米国製にこだわった。2012年ロンドン五輪のウエアが中国製だったため、民主・共和両党の議員から「国内製造業の雇用が奪われた」とバッシングされた反省がある。

 しかし、五輪を狙ったテロの脅威が叫ばれる情勢もあり、米国務省は一目で米国代表とわかるウエアで街を出歩かないよう注意を呼びかけ、英国もその方針に倣うという。世界のアスリートが集う「平和の祭典」の皮肉な一面がのぞく。

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