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「振り込め詐欺」被害 地域で特徴
2月6日 18時42分

去年1年間の「振り込め詐欺」の被害を都道府県別に見ると、地域によって特徴が見られ、警察庁は、どのような被害が多いのか、傾向を把握することも被害の防止につながるとしています。

去年急増した「オレオレ詐欺」は件数が多い順に、▽東京が1922件、▽神奈川が1094件、▽埼玉が598件、▽千葉が524件となっていて、南関東の1都3県だけで全体の77%を占めています。
しかし、「オレオレ詐欺」は、従来の「南関東一極集中」から徐々に西日本にも被害が拡散しつつあるということです。
一方、大阪は、医療費や保険料が返還されると持ちかける、いわゆる「還付金詐欺」が560件で全国の中で最も被害が多く、東京の倍以上になっています。
また、パチンコや競馬などで必ず勝てる方法があるとだます「ギャンブル必勝法詐欺」も大阪が79件で最も多く、大阪では、この2つの詐欺の被害がほかの地域に比べて突出して多くなっています。
詐欺グループが現金をだまし取る手口の傾向を見ると、東京など首都圏の1都6県では、犯人が直接受け取りに来る手口が多く、「現金受取型」全体の78%を占めました。
これに対して、北海道、中国地方、四国地方、九州・沖縄地方ではATMで振り込ませる手口が依然として多く、郵便や宅配便で送らせる手口も増える傾向にあります。
警察庁は、詐欺グループのほとんどが都内に拠点を持っているとみていて、詐欺グループが東京から近い地域には現金を直接受け取りに行き、それ以外の地域には振り込みや郵便や宅配便での送付を要求する傾向があるとみています。

「オレオレ詐欺」再び増える

「振り込め詐欺」のうち、息子や孫に成り済ます「オレオレ詐欺」は、10年以上前から確認されている「古典的な」手口ですが、被害額は平成16年の191億円をピークにその後、横ばいが続き、平成21年には52億円まで減りました。
しかし、翌年の平成22年に再び増加に転じたあとは増え続け、去年は170億円に上り、「振り込め詐欺」全体の35%を占めています。
警察庁によりますと、「オレオレ詐欺」の電話には特徴がみられ、その内容から3つに大別できるとしています。
▽1つは、「電車に大事な書類が入ったカバンを忘れた」などとうそをつく、捜査員の間で通称「電車かばん」と呼ばれる手口。
▽2つ目は、「株や投資などのもうけ話で失敗をした」と言う犯行。
▽3つ目は「女性を妊娠させてしまった」というもので、いずれも相手を動揺させて現金が必要な状況だと信じ込ませます。
また、「オレオレ詐欺」の被害者の多くは、会社員の息子を持つ60代以上の女性で、警察庁は、「携帯電話の番号が変わった」という連絡には特に注意が必要だとしています。
そして、この条件に該当する人たちは、詐欺グループに常にねらわれ、いつだまされてもおかしくないという強い危機意識を持ち続けてほしいと呼びかけています。

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