ブルペンで初めて投球練習を披露した呉昇【拡大】
和田監督は全球を後ろで見守り、納得の表情だった。驚いたのは、偵察隊だ。このキャンプ初めて、セ・リーグ5球団のスコアラーが集結した。
中日・井本スコアラーが「打っても飛ばないだろう」と語るなど、全球団が「重い球」と口をそろえた。巨人・森中スコアラーは「淡々と投げていて(感情が)見えなかった」と、別の視点。選手の表情からも状態を探るものだが、呉はまったく分からない。困惑して偵察を終えた。
「石直球」と名付けられた剛球と「石仏」と呼ばれるポーカーフェースは、早くもライバルを圧倒した。さらに、「007」は新たな発見にも要注意。踏み出す左足が着地したと思われるところから、地面すれすれでさらに靴一足、前に出る。見たことのない投球モーションに打者は戸惑うかもしれない。
抜群の制球力と新球のツーシームとカーブにも視察したスコアラー全員が驚いた。それでも、通算277セーブのアジアNo.1守護神は力の半分も出していない。