ブルペンで初めて投球練習を披露した呉昇【拡大】
右腕の一挙手一投足に反応する20台以上のカメラとは対照的に、本人の表情はピクリとも動かなかった。貫禄の61球。気温23度、湿気たっぷりのブルペンで100人のファンに見守られて、呉昇桓がベールを脱いだ。
「周りの視線は感じない方だから関係ないです。初めてだけど、感触もバランスもよくて、満足しています」
キャンプの目玉は予想通りの注目を集めた。首脳陣、評論家、報道陣。無数の視線を浴びての第1球は、やや高めに浮いた直球で、捕手のミットが押される。噂通りズシリと重い。返球を受けると、5秒で次の投球動作に移った。テンポを崩さず、次々と腕を振った。
「ツーシームがよかった。スライダーはあまりよくないけど、練習の過程なので大丈夫です」
スライダー5球、カーブ2球、ツーシーム2球。クイックも行うなど、最初からすべてをさらけ出した。
「球が重そうだよね。見たことがないタイプ。ほとんど構えたところにいっているし、投げっぷりというかマウンドさばきも落ち着いている中で闘志がみなぎるタイプ」